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2020/07/21
GIII第29回アサヒビールカップ

【優勝】松田祐季(4391・福井)



6日間の2準優制で争われた「G3第29回アサヒビールカップ」は、日程通りに4日間の予選と準優勝戦を終え、7月21日(火)に最終日の優勝戦が行われた。

なお、前日(5日目)に実施された2組の「準優勝戦」は、予選2位の前沢丈史が【11R】でインから2着だったのに対し、1位通過の松田祐季は【12R】を順当に逃げて快勝。予選・準優の計7走を「オール2連対」で乗り切った松田が、V戦の1号艇を手にした!

ちなみに、当シリーズは4名の「SGタイトルホルダー」が参戦していたが、調整に苦戦を強いられた中島孝平と、2日目に不良航法(−10点)を取られた平尾崇典は予選で敗退…。

さらに、予選を4位で通過した坪井康晴も、準優「4着」で優出漏れとなった一方、低調モーターを丹念な「整備」+「調整」で「中堅級」に押し上げた市川哲也は準優「2着」で、ベスト6入りを果たした。

そして迎えたV戦は、ホーム「追い風」が「5m/s」に対して、順目の「上げ潮」が「50cm/s」という好コンディションの下でレース開始となったが、6名全員が「0.15前後」という、ほぼ横一線に近い隊形でスリットラインを通過した。

中でも、トップS(0.12)を決めてきたのは、2コースの加藤高史だったが、スリット通過後はインの松田(ST0.15)もググっと伸び返して行った。その結果「マイペースのイン」に持ち込めた松田は、センターから「全速旋回」で攻めた前沢(3号艇)を寄せ付けることなく、力強いターンで先マイに成功した。

バックストレッチで後続との差をジワジワと広げた松田は、続く2Mの初動で僅かにボートが浮きかけたものの、大勢に影響はなかった。そして、残り4回のターンを着実に回り、悠々と先頭でゴール板を駆け抜けた!

次位争いの方は、1周1Mで握った前沢が外に膨れて、差した加藤の内々を、捲り差しで切り込んだ金子貴志(5号艇)が浮上。2Mを先に回った金子に対し、加藤は握りマイで食らい付くと、2周目のバック線で金子に肉薄したが、金子はそのまま粘って2着。加藤が3着に入線した。

さて、予選1位からの「王道V」という最高の形でシリーズを締め括った松田は、2015年2月(関東日刊紙BR記者クラブ杯)以来、江戸川では通算「3回目」となる久々の美酒。初日の2連対スタート(1着・2着)で流れを掴むと、その後も隙のないレース運びを披露して、勢いは最後まで衰えることがなかった。

その松田、前検日の時点では「伸びを求めたい」と話していたが、序盤戦の時点で目に付いたのは「ターン回り」の安定感。そして、中盤戦以降は「伸び足」も徐々にアップして、最終的には相棒(27号機)を欠点のない、次元の高い「バランス型」の舟足に仕上げ切った。

準優戦後のインタビューで「今節は(レースに)ツキもありますね」と謙遜気味だったが、レースを振り返ると、初戦からV戦に至るまで、1周1Mで1度もミスを犯さなかった。確かに、6日間を通して水面状況に恵まれた一節ではあったが、今節の優勝は「風」と「潮流」が複雑に絡み合う江戸川の難水面を的確に乗りこなした松田の「実力勝ち」と言えるだろう。

また、2着に入線した金子は松田の「師匠」で、師弟による「ワンツー・フィニッシュ」も、松田にとって「最高の結果」となったはず。この後も、しばらくは「一般戦」の斡旋が続いている松田だが、所属する福井支部では萩原秀人と並び立つ「スピードスター」。よって、秋以降の「記念戦線」での活躍を大いに期待したいところだ!





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