【優勝】前沢丈史(4366・東京)6日間の2準優制で争われた伝統の正月開催「第39回新春金盃・だるま家カップ・スタ展10時10分!」は、荒天となった1月7日(木)が中止・順延となり、予定より一日遅れの1月8日(金)に最終日の優勝戦が行われた。
なお、隙のない走りで予選トップ通過を果たしたのは、大本命の石渡鉄兵。しかし、準優【12R】は「2着」で、V戦は3枠回りに。対して、同2位通過の前沢丈史は、準優【11R】をインから逃げ切って、V戦のポールポジションを獲得した!
その他、石渡が2着惜敗の準優を「捲り差し」で快勝した飯山泰と、予選&準優の7戦で「2着5本」と粘走した渡辺豊がファイナルに進出。さらに、大池佑来&山田哲也の両実力者も、それぞれ準優「3着」でV戦に滑り込んだ。
そして迎えた最終日は、ほぼ無風の静水面でレースが始まると、6R頃からは弱い「追い風」に変わったが、9Rの開始直前に急激に風速が強まったため、10R以降は急遽「安定板」が装着された。しかし、強風はすぐに沈静化すると、V戦は北寄りの「向かい風」へ変化。順目の「下げ潮」と相成って絶好の水面コンディションとなった。
そのV戦は、インの前沢と最アウトの山田がトップS(0.10)で飛び出した。しかし、他の4選手も「0.15前後」の仕掛けで、ほぼ横並びのスリット線だったため、「イン有利」の隊形となった。
なお、勝負どころの1周1Mでアクシデントが発生。3コースから「全速ターン」で攻めた石渡が、旋回中期で挙動が不安定になり、まさかの転覆失格に…。一方、インで会心のスタートを決めていた前沢は、マイペースの旋回で悠々と先マイに成功。あっという間に後続艇をブッ千切ると、早々に前沢の「V」が確定的となった。
よって、焦点は「2・3着争い」に絞られたが、1番差しの飯山(2枠)は先行艇の引き波をなぞる形になり、2番差しから最内を浮上した渡辺(4枠)と、スピードを乗せた捲り差しで切り込んで来た大池(5枠)で接戦となった。
続く2Mは、大池が外をブン回したが、ターンマークをグリっと回った渡辺が大池を抑えて先行。そのまま渡辺が2着、大池が3着で態勢は決した。
さて、他艇に影も踏ませない「逃げ完勝劇」で2021年の初陣を飾った前沢。石渡が準優2着で、V戦の白カポックが転がり込んだ「ツキ」もあったが、前沢自身も初日の「江戸川選抜戦」以外は「オール2連対」という快走を披露。加えて、3日目以降は「ゼロ台S」を4連発させていた前沢は、最後も難しい気象条件の変化に対応して、最高のスタートを決めた!
その前沢、これで当地は「初優出」を達成した2018年2月の「G1関東地区選手権」以降、計9節走って「8優出&2V」と安定感は抜群。今節も、前検日の時点で「江戸川ですし、ソコソコには仕上げられると思いますよ」と自信を示していたが、相棒(71号機)の機歴も良かったため、「出足系統」の仕上がりは完璧だった。今や、東京支部の主力勢においては、石渡に次いで頼りになる存在だ。
なお、昨年の前沢は年間「15優出」ながら、優勝はゼロ。よって、今回は2019年8月の常滑以来となる久々の美酒だった。しかし、2021年の正月戦を制して、最高の滑り出しを切った。しかも、前沢は次節の大一番「G1江戸川大賞・開設65周年記念」で再び当地に登場する。
ちなみに、前沢が(平和島・多摩川を含めた)地元の周年記念を走るのは、意外にも初めて。よって、本人も胸を躍らせているはずで、「超ドル箱水面」での一発「大仕事」を大いに期待したいところだ! |