【優勝】金子萌(4793・静岡)6日間の2準優戦で争われた年度初めの「外向発売所開設10周年記念・富士通フロンテック杯」は、1年間に亘って使用されてきたモーターの最終シリーズでもあった。しかし、今節は上位機のほとんどが伏兵級の手に渡ったため、V戦には「中堅」か「中堅上位」のモーターを「整備」+「調整」で底上げした実力者が勝ち残った。
なお、強力な「伸び足」を武器に予選トップ通過を果たした佐藤謙史朗だが、準優戦(11R)で田中宏樹の「4カド捲り」に沈んで優出ならず…。一方、予選2位の寺本重宣は、準優戦(12R)で金子萌との接戦の末に「2着」でV戦は3枠回り。対して、同レースを制した金子(予選6位)がV戦のポールポジションを掴んだ。
金子・田中・寺本以外では、「当地2連覇中」の宮下元胤が勝負強さを発揮してベスト6入り。さらに、準優戦で「3着」に食い込んだ奥平拓也・永井源の2者も6強入りを果たした。
そして迎えた優勝戦は「上げ潮」が「60cm/s」と強く、潮位も高い状況ではあったが、同一方向からの穏やかな「追い風」だったため、好コンディションの下でレースが開始された。なお、スタートを攻めたのは、インの金子と、ダッシュ枠に並んだ宮下(4枠)・奥平(5枠)の3者で、スリットライン通過の時点では若干「中へこみ」の隊形に…。
しかし、4カドから覗きかけた宮下に対し、ジカ内の寺本(3枠)が伸び返して、宮下は差しに変化。この時点で「内有利」のレース形態となり、好Sをバシッと決めていた金子が先マイから逃げ態勢を築くと、続く2Mも落ち着いて先取りして「V」が確定的となった!
後続争いは、差した田中・宮下とツケ回った寺本の3者による大接戦になったが、田中が2周2Mで宮下を冷静に捌いて2着。宮下が3着に入線した。
さて、堂々の逃げ圧倒撃で「江戸川初制覇」を果たした金子は、自身の「初V」を挙げた昨年6月の桐生以来、通算「2回目」の優勝。今節は舟足を整えて「初白星」を挙げた3日目の後半から、準優戦まで怒涛の「4連勝」と1着を量産。勢いそのままに、最終決戦も危なげないターンで他艇を寄せ付けなかった!
また、前検日の時点では「最近は調子が悪くて…」と話していた金子。実際に直近は乱調で、初めて上り詰めた「A1級」から、来期は「A2級」への降格が確定的な状況。それでも、今節の「V」は来期の反攻を予感させる大きな勝利と言えそうだ。 |