【優勝】西島義則(3024・広島)6日間の2準優制で争われた「第11回ボートレース研究ファン感謝祭」は、初日の終盤戦(11R・12R)が強風高波浪により中止・打ち切りとなったが、2日目以降は水面コンディションに恵まれ、当初の予定通り1月15日(日)に優勝戦が行われた。
なお、かつて広島支部の最強「2トップ」としてSG戦線を席巻した西島義則(予選1位)&市川哲也(同2位)が力強く予選を牽引して、準優戦の1号艇を独占。しかし、市川はその準優(11R)で地元気鋭・近藤雄一郎の「全速捲り」に沈められて、まさかの惨敗(6着)を喫した…。
対照的に、西島は準優戦(12R)を緩みなく逃げ切って、V戦の絶好枠を獲得。また、前記の通り、準優で市川を撃破する「大金星」を挙げた近藤も、予選道中から「B2級」の選手とは到底思えない好レースを連発して、悲願の「初優出」を決めた!
ちなみに、6強メンバーの顔ぶれは(枠番順に)西島・近藤・野中一平・海老澤泰行・黒柳浩孝・重野哲之の並びとなった。
迎えた最終日は、終日「向かい風」+「下げ潮」の条件であったため、V戦も好コンディションの下でレース開始となった。そして、スリット隊形に大きなバラつきが生じることなく、全艇が勝負処の1Mへ向かった。
その1Mでは、センターから「全速ツケマイ」を放った野中に対して、インの西島が応戦気味に「張り逃げ」を敢行。野中は膨れて、西島も旋回中期で半キャビを起こしたため、野中のジカ外から「差し」に決め撃っていた海老澤が、バック線の内目を伸ばして先頭に躍り出た。
しかし、続く2Mで外にボートを持ち出した西島は、先取りした海老澤の内懐をえぐり抜く鋭い「早差し」で一気に逆転。2周ホームストレッチで後続との差をみるみる広げていった西島は、次の2周1Mを力強く先マイして「V」を確定させた!
後続は、1周2Mで内々を突いた黒柳・重野を捌いた野中が3番手に浮上。2番手を航走する海老澤に肉薄したが、2周1Mで野中を「抱きマイ」で振り切った海老澤が2着。野中は3着に入線した。
さて、スンナリとは逃げ切れなかった西島だが、1周2Mの「強旋回」はこれぞ「歴戦の猛者」とも言うべき素晴らしいターンだった。レースを見ていた市川も「あの2Mは凄い。西島さんの意地ですよ!」と感嘆していたが、西島自身は「いやー、2Mはあそこしかなかったんよ」と涼しい顔で振り返った。
その西島は「出足系は変わらず良かったです」と、最後まで好状態をキープ。しかしながら、節間を通してプロペラは「ノーハンマー」と「静」の姿勢を貫き通した。経験に裏打ちされた「調整手腕」を有する西島だが、今節は「スタート」&「レース」に集中して最高の結果を出した!
ちなみに、西島は昨年10月の徳山以来、通算「97回目」の優勝で、当地では2017年3月(東京スポーツ杯)以来、2回目の美酒。「江戸川で優勝するのはSGを勝つより難しい。潮や風などの条件が変わるし、運も必要だからね」と話していたが、今節はコース不問、レースも「硬軟自在」で付け入る隙がなかった。
最後に、西島は今期(※11月1日以降)に入って「69走」を消化したが、現勝率が驚異の「8.12」。とても「還暦レーサー」とは思えぬ充実ぶりで、西島自身も「どうなってるんだろうね」と笑い飛ばしていた。過去には「SG3連覇」の偉業を成し遂げた古豪は衰え知らずで、このペースで突き進めば10月のSG(蒲郡ボートレースダービー)の出場も十分狙えそうだ! |