【優勝】田路朋史(4381・兵庫)得点率制の5日間シリーズで争われた「第19回夕刊フジ杯」は、安定板が装着された日もあったが、全般的には水面コンディションに恵まれ、日程通りの2月5日(水)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、初日メインの「江戸川選抜戦」を4カドからの「差し」で制して勢いに乗った渡邉和将は、2日目以降も白星街道をばく進。予選を無傷の“6連勝”で駆け抜け、V戦のポールポジションを獲得するとともに、自身初の“完全V”へ王手を懸けた!
その他、渡邉と“伸び2強”を形成した田路朋史が予選2位で優出。そして“実力最上位”の平本真之も、予選最終日の4日目に連勝ゴール。この平本が自力ポジションの「3枠」に収まったことで“激戦”が予測されるラストバトルとなった。
なお、V戦直前の11R頃から南寄りのホーム「追い風」が少し強まった。対する潮回りは逆目の「下げ潮」で、水面がやや波立ったため、V戦は急遽「安定板」が装着されたが、レース開始前には潮回りと同じ方向の「向かい風」に変化。よって、水面コンディションは回復したが、選手たちにとっては(展示と本番で風向きが全く異なる)非常に「S」が難しい条件となった…。
そして、迎えたレースの方は「4カド発進」だった麻生慎介がトップS(0.19)の飛び出し。ダッシュが乗っていた麻生は、スリット後に内を絞って捲りに出たが、インの渡邉が抵抗。なお、麻生は旋回中期で振り込んで後退…。渡邉もターンが膨れたため、1周1Mで抜け出したのは、2コースから「差し一本」に絞っていた田路だった!
その田路は、続く2Mを楽に先取りして先行態勢を築いた。一方、2Mで捲り差しから浮上した山本寛久を、冷静に捌いた渡邉が2番手に浮上。その後、渡邉は道中で先頭を走る田路との差を縮めたが、落ち着いて周回を重ねた田路が1着でゴール。渡邉は2着で、3着には平本が入線した。
さて、冷静沈着な立ち回りで“江戸川初制覇”を達成した田路は、自身“初V”を飾った2013年5月の三国以来、約7年ぶり「2回目」の美酒。「江戸川を走られた(先輩の)藤岡俊介さんから、ペラは聞いてきました」と、前節で当地を走った先輩から得た情報を元に調整に励み、初日の時点から“キラリ”と光る動きを見せていた。
そして、早くも2日目の時点で相棒(69号機)のパワーを完璧に引き出した田路は、順調にポイントを重ねて「オール3連対」で予選を突破。ちなみに、優出インタビューの際は「Sをしっかり行ければ(渡邉より)自分の方が伸びると思う!」と自信満々だった。加えて、レース直前に安定板が装着されるという難儀な状況も克服して、見事栄冠を勝ち獲った!
なお、A1級の経験(※2014年後期)もある田路だが、その後はB級暮らしが続いている。さらに「F2」を犯した前々期は、事故点オーバーによる「B2級陥落」まで経験している。地獄を味わった男にとっては“カンフル剤”となる今回のV。この勢いに乗って、まずは当面の目標である「A級復帰」を果たしたいところだ! |