【優勝】長嶋万記(4190・静岡)女子選手による熱い戦いが繰り広げられた「G3オールレディース・江戸川女王決定戦 KIRIN CUP」は、11月5日(土)に第5代“江戸川女王”を決める優勝戦が行われた。
その最終日は6Rまで緩やかな「向かい風」が吹いていたが、7R以降は一転して「追い風」に変わり、ラストバトルの優勝戦は「追い風」が6m/sとやや強かったものの、潮の流れは順目の「上げ潮」ということで、水面コンディションは比較的良好だった。しかし、そこには大波乱の結末が待っていた…。
そして迎えたレース本番。全艇がピットアウトを済ませ、待機行動も佳境に入ったところで、6枠金田幸子の動きに変調が生じ、まさかの出遅れ返還に…。レース後の調査の結果、浮遊物を巻き付けていたことが判明(選手責任外)したが、金田にとっては不運としか言いようがない一戦となってしまった。
更には、インから先マイを果たした喜井つかさ(1枠)が、1周バック半ばで無念の「F」コール。展示航走時は潮止まりに近かったが、本番レースでは「上げ潮」が入り出すという非常にスタートが難しい条件で、ダッシュの三浦永理(4枠)と新田芳美(5枠)の2者もスリット直前で慌ててレバーを落としていたが、喜井にとっては痛恨の戦線離脱となった…。
一方で、センターから握って攻めた大瀧明日香(3枠)は旋回が流れ、バックは一番差しの長嶋万記(2枠)と、捲り差した三浦永理が、喜井のF退きによってで繰り上がる形になったが、内有利に艇を伸ばした長嶋が、遅れ差しから2Mで内を突いた新田を楽に交わして、遂に“江戸川初V”が確定した!
また、その2Mで魅せたのは大瀧だった。旋回が流れた三浦と、切りシロ不足の無理マイになった新田の両者を、狙い済ました「差し」で捉えると、2周ホームでは自慢のパワーを発揮してグッと加速。その結果、大瀧が逆転で2着に入り、3着には初代・江戸川女王の新田が続き、大波乱の一戦は幕を閉じた。
さて、決まり手は「恵まれ」ではあったが、当地3連続「準V」中だった長嶋は、ようやく念願の“金メダル”を獲得すると共に、第5代“江戸川女王”を襲名。前回9月の「男女W優勝戦」では、同じ2コースからツケマイで攻めたものの、一歩及ばずの2着。「今日は差し一本で行きました」と、差しが利く「追い風+上げ潮」の条件ということもあり、作戦に迷いはなかったようだが、結果的には定石通りに立ち回って正解だった。
表彰セレモニーで「ここ(江戸川)で優勝できて本当に嬉しい!」と、多くのファンの前で喜びを爆発させた長嶋は、前節(三国)から続く「G3オールレディース」の連覇を達成すると共に、これで今年「5回目」の優勝というアクセル全開の走りで、勢いはグングンと加速している!
さらに、この勝利で来春のSGボートレースクラシック(児島)の出場にも大きく前進したが、「去年は凄くもがいていたけど、やっと芽が出てきたかな」と不調時も腐ることなく、前向きに「調整」&「レース」に取り込んだことが、現在の“好調”に繋がっているのは間違いない。
セレモニーの最後には「これに満足せず、本当の女王を目指して頑張りたい!」と今後の抱負を語った長嶋だが、女子賞金ランキングでも「3位」に浮上し、“賞金女王”へ向けても一歩一歩邁進している。次節(大村)の「G2レディースCC」、そして、最大の目標である「G1クイーンズクライマックス(平和島)」の“W獲り”をも見据える勝負どころから目が離せない! |