【優勝】濱野谷憲吾(3590・東京)節間を通して安定板の装着なし、終始安定した水面コンディションで行われた「G1江戸川大賞・開設60周年記念」の優勝戦は、2M逆転の差しで濱野谷憲吾がV。一昨年10月の「G2江戸川634杯」以来、4回目となる当地特別タイトル(江戸川通算14回目のV)を獲得した。 「追い風3m」+「上げ潮40cm」という良好な水面で迎えたファイナル。1号艇の石渡鉄兵が「コンマ11」のトップS、2号艇の濱野谷も「全速で行けた」という快心の「コンマ12」を踏み込んだのに対し、中外勢は1艇身に届かぬ平凡なスリット。 石渡にとってはイン有利な絶好の隊形だったが、「動」の攻めに出たのは濱野谷で、1Mは思い切った“ツケマイ勝負”を選択。この攻めを受け止めた石渡が先マイに成功するも、差し伸びてきた中田竜太(4号艇)をバック線半ばで振り切るべく内を少し締めた分、2Mは窮屈な形に…。その動きを外に開いてピッタリとマークしていた濱野谷がズバっと差して、石渡を逆転。 「追い風・追い潮(=2Mでは逆の向い風・向い潮になる)で、鉄兵はふん詰まると思い、自分は奥まで踏み込んで(2Mを)回った」と、レース後に語ったとおり、水面条件を読んだ見事な“頭脳プレー”だった。 一方の石渡は、悔しい2着惜敗。絶好のVチャンスで、濱野谷を差しに回せば完勝…という隊形だったが、今回ばかりは濱野谷が一枚上だった。それでも、予選道中での大きなプレッシャーに耐え、ファイナル1号艇獲得という“江戸川テッペイ”の重責は果たした。(おそらく斡旋が入るであろう)お盆の「大江戸賞」ではリベンジに期待したい。 そして、昨59周年準Vの中田が今年も優出3着と健闘。優勝するには機力があと一歩足りなかったが随所に好ターンを見せ、改めて潜在能力の高さを証明。決して波巧者ではないが、旋回の間合いが合う江戸川との相性はやはり抜群だ。 さて、勝った濱野谷は、一昨年10月の当地「G2江戸川634杯」以来となる久々の特別戦V(G1以上は、2011年12月の関東地区戦(江戸川)以来)。「今節は前検から伸びが良かったからね。そういうエンジンに当たると、微調整だけで済むから楽」と、節間を通して直線系統はトップ足で手応え十分。優勝戦は「回転を上げ気味にして、バックの足とかも良かった」と立ち上りの加速感が飛躍的に良くなり、展示航走から“完璧”な気配を披露。パワーとテクニックが見事に融合した文句の付けようがない勝利だった。 今年は桐生順平(尼崎クラシック)→ 山崎智也(大村オールスター)と、関東勢がSG戦を連覇中。加えて、丸亀63周年を制した毒島誠も相変わらず強い。これに今回の周年Vで東都のエース・濱野谷が勢い付くようだと、ビッグ戦線の盛り上がりが更に増す。 23日開幕のSGグランドチャンピオンは「行くたびにFを切る」と、濱野谷本人も苦笑いする宮島が舞台。確かにここ2節(59周年&60周年)で連続Fの“鬼門の地”だが、決して水面相性が悪い訳ではない。約8年ぶり(2007年・平和島クラシック以来)のビッグ戴冠へ、心技体万全の状態で臨めるはずだ! |