| 【優勝】是澤孝宏(4388・滋賀)当地の企画レースとして定着した「江戸川大好き選手集結!4代目江戸川番長決定戦」は、予選2日目の12Rが雷雨の影響により中止・打ち切りとなったが、そのアクシデントを除けば水面コンディションに恵まれ、日程どおりの7月13日(火)に「4代目番長」を決する優勝戦が行われた。
なお、予選の2日目を終えた段階で、加藤政彦・片橋幸貴が得点率トップを並走。この2者では、初日の外枠戦(6・5号艇)を「1着・3着」で滑り出してアドバンテージを得た片橋が、スロー枠からの予選ラスト2走(3・1号艇)を「2着・1着」にまとめ上げて、V戦のポールポジションを獲得した!
そして、加藤も得点率第3位で予選をクリアして、地元の東京支部から唯一人、V戦に進出。また、初日の「江戸川選抜戦」に出場した主力組からは(片橋の他に)、その選抜戦を制した松田大志郎と、荒井輝年・是澤孝宏の計4名が6強メンバーに名乗りを挙げた。さらに、快速機(57号機)の後押しがあった伊藤雄二が6位で、最後の優出切符を手にした。
迎えた最終日は「向かい風」+「下げ潮」の好条件の下でレース開始となった。その後9Rを境として「追い風」へ変化したが、V戦は順目の「上げ潮」が少し強まったことで、絶好の水面コンディションで決戦の火蓋が切られた。
そしてレースの方は、荒井(2号艇)・松田(4号艇)の両者がトップS(0.10)の飛び出し。一方、6番手S(0.19)と少々後手を踏んだインの片橋は少々苦しい隊形になった。その片橋に対し、荒井は容赦のない「ジカ捲り」を敢行したが、その攻めに片橋も抵抗。また、「捲り差し」を狙った松田も入り切れずに、ボートが大きく流れてしまった…。
そのため、加藤(3号艇)と是澤(5号艇)の両者に「絶好の展開」が到来。まず、ブイ際を小さく差した加藤に対して、握りっ放しの「捲り差し」を角度良く捻じ込んだ是澤がバック線では加藤の前に出た。そして、続く2Mで渾身の「差し返し」を狙った加藤が引き波でモタついたため、その2Mを先取りした是澤の「V」が確定的となった!
なお、2番手の加藤を、道中でジリジリと追い上げたのは荒井だったが、加藤は各コーナーを冷静に凌いで2着を確保。対する荒井は3周1Mで痛恨の「ターン漏れ」を犯し、4番手を走っていた片橋が荒井の内を突いて3着に入線。その結果、3連単(5-3-1)は「56,650円」の101番人気という大波乱でシリーズが閉幕した。
さて、混戦の1Mを切り裂いて、見事「4代目江戸川番長」を襲名した是澤だが、当地は通算「8回目」の優出にして、悲願の「江戸川初制覇」となった。過去にはG2戦(2014年10月の江戸川634杯)&G1戦(2016年10月の61周年記念)でもファイナリストに名を連ねて、水面実績を積み重ねてきた。
しかしながら、近況の当地においては、本当に「モーター抽選運」が悪い是澤。なお、昨年9月の「3代目江戸川番長決定戦」でもV戦に乗っていたが、その時も明らかに機力が劣勢だったし、前回戦(今年1月の65周年記念)でも「ワースト機」を引いて大苦戦。節間を通して「ゴンロクの山」を並べ続けた是澤には、かける言葉が見当たらぬほどだった…。
そして迎えた今シリーズも、前検日に手にしたのは、前操者(永井彪也)の動きがサッパリだった「65号機」。実際、「6着」に敗れた初日の選抜戦での機力比較は明らかに劣勢で、旋回後の千切られ方は相当に酷かった。本人も「あまりに(機が)出てなかったので、初日の夜は眠れなかった…」と言うほどで、2日目以後の舟足も、到底「V」を意識させるものではなかった。
その是澤、V戦前日のインタビューでは「江戸川番長になりたい気持ちは誰にも負けない。でも、(同支部の後輩に当たる)片橋に先を越されそうですね」と苦笑いを浮かべた後、「(当日の)水面の特長を把握して、何とか(舟券に)絡めるようにしたい。最善を尽くします!」と、最後は必死に前を向いていたが、レースはやってみないと分からない。当地で低調機を引き続けても、歯を食い縛って絶えてきた是澤に、ようやく「江戸川の神様」が微笑んだ!
最後に、桑原将光とともに「当地3割増し」を自認する是澤は、「4代目番長」を襲名したことで、今後は堂々と「3割増しTシャツ」を着られるはず。ガッツ溢れる「波乗り手腕」に加えて、今回のようにダッシュ位置からの「ハンドルワーク」も機敏なだけに、これからも「大好きな江戸川」で着実に実績を積み重ねていくことだろう。 |