【優勝】前本泰和(3573・広島)4日間の得点率制で争われた「江戸川メルマガ会員ご招待カップ」は、強風高波浪による中止順延(9日)を一日挟み、12/10(土)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、最終日の開催は、北西の「向かい風」が最大で「7m/s」とやや強く、一日を通して安定板が装着された他、逆目の「上げ潮」とぶつかって波が出た3Rから9Rまでは2周戦にレースが短縮された。
その後、10R以降は水面状況が回復したため通常の3周戦に戻り、優勝戦はまずまずの水面コンディションで“ラストバトル”がスタートした。
レースの方は、外枠の大谷健太(5枠)と渡邉昌成(6枠)が、トップタイのS(コンマ18)を決めたが、内枠・中枠の面々も「20台前半」の仕掛けで、スリット線はほぼ横並び。断然の展示タイム(6.66)を叩き出していた三井所尊春(1枠)が先マイを果たしたものの、前本泰和(3枠)が、ダッシュの乗りが悪かった峰竜太(2枠)を叩いて、ズバッと「捲り差し」に入って、三井所の内をスルスルと浮上してきた。
また、捲られた峰は平常心を乱したか、ターンマークに接触して転覆。そこに大谷健太(5枠)が乗り上げるという(2艇脱落の)アクシデントが発生したが、バックは外伸びする三井所に対し、前本も一歩も引かず、強気に艇を捻じ込んだ。そして、2M直前で三井所の艇が浮き上がったことで、前本は余裕を持って2M先取りに成功。その後の三井所の差し返しも封じ、ここで前本のVが確定した。
なお、事故艇をしっかり避けて回った石田章央(4枠)と渡邉昌成(6枠)の3着争いは、渡邉が内有利に足を伸ばしたが、2Mを俊敏に差し込んだ石田が、渡邉を逆転して3着に入線した。
さて、前検日の時点では、「Sが届かない。このエンジンはコメントを聞く限り、かなり良くないし、大きくは望めそうにない・・・」と厳しい表情で話していた前本だったが、日を追う毎に気配が上昇。自己評価は最後まで辛口だったが、ワースト級の「35号機」ということを考えれば、「出足」や「行き足」は最高の状態に仕上がっていた。選手間でも一目置かれている絶品の“調整手腕”と“機出しの感性”を存分に発揮して、最高の「V」を掴み取った!
また、これで通算V回数を「96」に伸ばし、大台の「100V」が視界に入ってきた前本。SG優勝(2013年・グランプリシリーズ)もある広島支部きっての実力者だけに、一般戦を走ればその強さは圧倒的。今年もこれで「4V」となり、来春・児島のSGボートレースクラシック出場へ望みが繋がった!
なお、今後の前本だが、年内は地元宮島の企業杯(G3戦)、下関の一般戦と2節の斡旋が入っている。当然、今年「V5」へメイチの勝負となるのは、次節の宮島だ。ちなみに、近5年の宮島勝率は「7.71」と素晴らしく、その間、2013年の59周年Vを含む「20優出&9V」と鬼の強さを発揮している。“Vハンター”として名高い前本の走りに、この先もぜひ注目したい! |