【優勝】桐本康臣(4043・三重)5日間の“得点率制”で争われた「ジャパンネット銀行賞」は、最終日に超大型の台風21号が接近しつつあったが、予定通り22日(日)にファイナルの優勝戦が行われた。 その最終日は、台風の直接的な影響こそなかったものの秋雨前線が活発化し、北寄りのホーム「向かい風」が強まった時間帯もあった。ただ、全レースが順目の「下げ潮」ということで、一日を通してまずまずの水面コンディションだった。 そして迎えた優勝戦は、風が急に弱まり(3m/s)、絶好と言っても良い「好水面」でスタートが切られた。V戦としては、全艇の仕掛けが遅めではあったが、2コース発進の佐々木英樹がダッシュの乗ったトップS(コンマ17)を決めてきた。 その佐々木は、1号艇の桐本康臣にプレッシャーをかけつつ、素早く引いて差しに構えた。余裕のない先マイになった桐本を、佐々木がバック線で捉えたが、続く2Mで「ツケマイ」勝負に出た桐本に対し佐々木も応戦。2人で競り気味になったところを、3番手に付けていた柳田英明(3号艇)が差し込んで、3者による大接戦となった…。 2周目のホームストレッチでは、「直線パワー」に勝る佐々木が内側の柳田を絞って1Mを先取りしたが、両者の動きを完全に読んでいた桐本が、全速の「捲り差し」を叩き込んで一気に先頭へ躍り出た! バック線では「外伸び」した佐々木に再度迫られた桐本だったが、佐々木が2周2Mにおいて、内々を突いてきた柳田を回す形になって一歩後退。ここでリードを広げた桐本の優勝がようやく確定した。 2着には佐々木、3着もそのまま柳田が入線して、結局、スロー枠の3者が上位を独占。なお、カドの山田雄太(4号艇)は仕掛け切れず「2番差し」に構える展開となったことで、外枠の本橋克洋(5号艇)・村田敦(6号艇)に出番が回ることはなかった。 さて、スンナリと逃げ切ることはできなかったが、2周1Mの切れ味満点の「高速差し」は“お見事”だった桐本。正味の機力は「中上級」止まりだった一方、「操作性」や「乗り心地」に関しては万全に仕上がっていて、その足回りの良さが最後の最後で生きた形だ。 この勝利で前走地(芦屋)からの“2節連続V”と、完全に好調の波に乗った桐本。今期こそA2級に落ちているが、リズム良く走れれば、勝率的にも6点台後半から7点は楽に残せる実力者で、すでに来期の「A1級復帰」が確定している。 また、桐本が所属する「三重支部」と言えば、今期だけで「7V」と“確変モード”に突入している安達裕樹や、同日に行われた徳山のG2戦を制した新田雄史もいて、最近の活躍が際立っている。桐本もこの調子で「V」量産態勢に入るか、今後の走りにも注目したい。 |