| 【優勝】塩崎 桐加(4589・三重)期替わり一節目の「ヴィーナスシリーズ第7戦・江戸川JINRO CUP」は、11月6日(金)に優勝戦が行われた。節間を通して強風が吹くことはなく、最終日も無風もしくは微風の一日。そして迎えたラストの優勝戦も「下げ潮」30cm、北東からの「向かい風」が2m/sと絶好の水面条件でのレースとなった。
予選&準優勝戦の結果、優勝戦は実績上位の平高奈菜・滝川真由子・魚谷香織がスローの好枠を占拠。一方で、いずれも初Vを狙う塩崎桐加・原田佑実・若狭奈美子がダッシュ枠から格上勢に挑む構図となった。
レースの方は、V戦としては至って平凡な全艇20~30台のスリットで幕が開けたが、その中でも圧倒的な1番人気に支持されていたインの平高がまさかの「コンマ30」という立ち遅れ…。すかさず滝川が2コースからジカ捲りに出たが、平高も負けじと牽制して回ったため、中枠勢には願ってもない差し場が開いた。
その好展開から捲り差しを狙った3コースの魚谷は、やや中途半端なターンになってしまい、まさにドンピシャの角度で差してきたのが4コース発進の塩崎だった!
続く1周2Mでは、握ってきた平高をケアしつつ、内を突いた魚谷を巧く抱いて回った塩崎。その後も各コーナーで豪腕・平高と快パワーを誇る魚谷の執拗なアタックを受けたが、冷静な旋回で全てを振り切り、苦難の末にようやく自身初の優勝が確定的となった。2着は魚谷、3着には平高が入り、3連単20,760円の万舟決着で“熱き女の戦い”は終演となった。
「凄く嬉しいけど、(レース内容は)必死過ぎてあまり憶えていません。道中も手が震えてました」と、優勝者表彰セレモニーで激闘を振り返った塩崎。全国屈指の難水面であるここ江戸川で、女子獲得賞金トップを走る平高や、今夏のレディースチャンピオンの覇者・滝川、そして安定感ある強豪の魚谷らを撃破して勝ち取った初Vは、非常に大きな価値がある。
2期前には初のA2級に昇格し、更なる躍進が期待されたが、前期は5月の地元・津に続き芦屋でもフライングを切ってしまい厳しい状況に陥った。6月の徳山を走った後、長いF休み(90日間)に入ったが、そこで慣行したのが減量。「休みが3ヶ月もあって勿体無いのでジムに行って、走ってと徹底的にやった。54kgから6kgくらいは落としました」ことが奏功し、レース復帰後は成績が緩やかに上昇カーブを描いた。自身の節制と努力が実を結び、今回の初Vに繋がったことは間違いない。
「次の目標は女子王座(レディースチャンピオン)に出ることです!」と語る塩崎。節目となる来年30回大会は地元・津が舞台だけに、出場への思いは人一倍。元々、旋回レベルは高く、自身の軽量化で機出しの面にも進境が見える今なら、目標成就はそう難しくはないはずだ。 |