【優勝】中辻崇人(3876・福岡)9月18日(水)「G3マスターズリーグ第5戦」(7日間開催・2準優制)の優勝戦が行われた。
開催初日から3日連続の途中中止・打ち切り、4日目は中止・順延で当初の予定より一日ずれたファイナル。計7日間開催となった今節は主に強い南風が吹き込み、安定板&周回短縮の2周戦は毎日どこかしらではマストだった。
江戸川らしさ全開となった水面は、選手の調整・本番レースを難しいものにしたが、その中でラストのポールポジションを掴んだのは中辻。今節は近況試みているチルトMAXの調整で臨み、「匠」な技法を見事に発揮した。
節間通してチルト2度で伸び足の気配はトップクラス。予選最終日は得点率首位突破を懸けた大外一走だったが、節イチクラスの直線と質の高いスタート力でトップSから捲り一気。勝負の場面でも心臓の強さを見せた。
予選の「記者選抜戦」で乗艇予定だったイン戦が流れた為に、準優勝戦が当節初の絶好枠。調整如何にするか注視されたが、チルトMAXを貫いた。伸び足に軸を置きつつ、起こしを安定させる為の調整もバッチリ。
ジカ隣の細川が握って、奇襲作戦を仕掛けて来たが慌てず騒がずのイン完封劇。難なくと優勝戦に駒を進めて1枠獲得。もうひとつの準優戦で遅れ差しから波乱呼び込んだ山下が2枠。その隣から広瀬→杢野→高橋→谷本の並びで6名が出揃った。
最終日は第1Rから安定板装着&2周戦だったが、潮の流れと風向きが上げ潮(約50cm)・南風(約6m)と同じ方向の優勝戦は3周戦に戻されて実施。内枠有利と言える水面状況で枠なり3対3からレーススタート。
ここでも抜群のスタートから、押し切りかと思われた中辻だったがまさかの6番手S(コンマ23)と後手を踏んだ。しかしここから抜群の「伸び」と「匠の腕」で先マイ敢行。他艇は捲り差し狙った高橋以外が差し回りの「差し合戦」に。
山下の差しとカドからトップS決めた杢野の3番差しがバックストレッチで中辻を詰めた。だが中辻も耐えて2M先手打ち、後続を突き放した。優勝へ逃げ態勢固めると焦点2着争いに。ホームストレッチでは杢野が優位な隊形をキープ。
しかし2周1Mで山下がスルスルっと杢野の内側に艇を潜り込ませると、2周目バックでは次位優位に山下が逆転。2周2Mで杢野も山下の懐狙ったが及ばず、そのまま着順は決して3周完走。結果1-2-4(11.3倍・3番人気)で期待に応えた中辻がVを飾った。
今年7つの優勝を掴んでいたVハンター・中辻の勢いは止まらず8つ目の栄冠、当地では6度目のタイトルを獲得。中止相次ぐ中、レース・調整と難しい節となったが淡々と、冷静沈着な精神力を感じさせた中辻。
これでベテランレーサー最高峰の戦い「PG1マスターズチャンピオン」の切符は手にした。ただ近年は特別タイトルには出場せず、出場権を持っていた鳴門での前回大会も欠場している。
しかし出場となるならば、その「手腕」と強靭な「精神力」で匠達と熾烈な戦いを演じる事は必至。参戦を楽しみにしつつ、今年の優勝回数も何処まで伸ばすか、Vハンターの今後から目が離せない。 |