【優勝】石野貴之(4168・大阪)10月27日に優勝戦を迎えた「第38回デイリースポーツ杯」を制したのは石野貴之だった。予選を「6戦5勝&2着1回」という“準パーフェクト”ペースで勝ち上がった石野。もちろんファイナルも1号艇で圧倒的な人気を集め、本命党の期待にきっちり応えて逃げ切った。これが今年6回目、通算では29回目、江戸川では初の優勝となった。
レースは、石野がインから「コンマ11」のトップスタート。抜群の伸びを生かしてそのまま先マイ楽勝か…と思われたが、2号艇の稲田浩二が意表を突く“ジカ捲り”を敢行。それでもさすがはSGレーサーの石野で、奇襲にも慌てることなくインで冷静に残し、バック線で稲田を捕らえるとそのまま内有利に2Mを先取り。差しを狙った稲田は届かず、その後は危なげなく石野が2着以下を突き放し1着でゴール。
2着には稲田が入線し、2連単は圧倒的な1番人気での決着。3着争いはダッシュ枠の3人で大接戦となったが、3周1Mで松下哲也(5号艇)と川口貴久(6号艇)が競る展開を見逃さなかった宇佐見淳(4号艇)が抜け出し、3連単も2番人気という平穏な結末だった。
さて、江戸川はこれが約5年半ぶりの参戦だった石野だったが、格上の実力を見せつけて難水面を攻略。「今節は伸びだけを求めて、出足や乗り心地は捨てている」と、極端な調整を施してレースに臨んだが、当地看板機の一つである「14号機」も、その調整に応えて初日から異次元の伸びを披露。そして、石野も豪脚を生かすべく連日攻めのレースを展開と、まさに“人機一体”となって掴んだ優勝だった。
この優勝で賞金を加算した石野は、前検日には24位だった賞金ランクが21位にまでアップ(10月27日現在)。年末の平和島・グランプリ出場へまた一歩近付いた。江戸川初Vの余韻に浸る間もなく、休みなしで戸田の周年記念に転戦する石野だが、この快勝劇で今シリーズの疲れも吹き飛んだことだろう。勢いを加速させて挑む今後のG1・SG戦線での活躍に期待したい。
また、優勝戦は道中で展開不利もあり5着に敗れた松下哲也だが、今節は序盤からかなりの実戦足を見せていた。「エンジンが本当にいい!」と松下が絶賛した「40号機」の正味のパワーは、石野の「14号機」以上かも。次節以降の“注目モーター”として覚えておいて損はないだろう。 |