【優勝】伊藤啓三(3838・埼玉)「第4回ボートレース研究ファン感謝祭」は予選道中での波乱が目立ったが、それでもファイナルに勝ち進んだのは“江戸川巧者”として知られる面々で、中でも、正月の「新春金盃」を制した荒井翔伍がオール3連対で予選をクリアして、優勝戦の1号艇を掴んだ。
そして、当地における通算優出が11回目の伊藤啓三、14回目の村越篤、12回目の山本英志が2~4号艇を占め、それぞれが“江戸川初V”にチャレンジ。
また、5号艇の塩田雄一が“約20年ぶり”となる優勝を目指してのレースとなった他、2013年10月以来の久しぶりの当地参戦となった作間章も、何とか6号艇でファイナルに滑り込んだ。
レースは、荒井がインから「コンマ12」のトップスタートを決めて先マイを図ったが、村越&塩田の香川勢の攻めを牽制する形で、1Mはやや膨れ気味のターンに…。その隙を逃さず、2コースから鋭い差しハンドルを入れた伊藤がバック直線で先頭へ。2周1Mでは波に引っ掛かり一瞬ヒヤリとする場面もあったが、そのまま先頭は譲らず1着でゴール! 荒井はインから残して2番手を追走していたが、2周1Mで伊藤が上げた水飛沫を避けるように外を回ったことで、3番手を走っていた村越が急接近。3周1Mで荒井を捌いて2着を確保。荒井は、作間の猛追を何とか振り切り3着で入線した。
よって、結果的にはスロー枠の3人が上位を独占したが、断然人気の荒井が3着に敗れたことで、3連単は万舟券での決着となった。
さて、通算11回目の優出で、嬉しい江戸川初Vとなった伊藤だが、近況は昨年12月の蒲郡から“6連続優出中”と絶好調。前検日に本人が「最近はいい仕上がりにできてるし、乗り心地や舟の向きがくる」と話していたとおり、今節も「江戸川でこんなに乗りやすいのは久しぶり!」と、きっちり調整を合わせての優勝劇だった。
今年はこれで早くも2度目の優勝。元々速攻力には定評があった一方で、機出しの面で安定せず、近年はA1とA2を行き来する状況だったが、調整面に正解が出ている今なら、2016年はこのままブレークの予感。
その一方で、絶好枠から“当地連続V”を狙っての一戦となった荒井にとっては、何とも悔しい結果になった。新春金盃ではインの若林将が外を牽制した隙を突いて、2コースから差して優勝したが、逆に今回は同じような形での2コース差しを許してしまった。
優勝戦前日のインタビューでは「(外の攻めを気にせず)自分のターンをできれば…」と話していた荒井だが、地元で優勝戦1号艇の重圧もあったか、冷静なターンをさせてもらえなかった。ただ、好モーターの援護があったにせよ、予選道中の力強い走りは地元A1級に相応しいものだった。この後は、来月の戸田周年を皮切りにグレードレースの斡旋が多く入っているが、この悔しい経験を糧に大舞台での激走を期待したい。 |