【優勝】福来剛(4095・東京)4日間の得点率制で争われた「江戸川大好き選手集結!3代目江戸川番長決定戦」は、3日目(予選最終日)の開催が、連日に亘る強風高波浪により2日連続で中止・順延となった。そのため、予定より2日遅れの9月10日(木)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、予選の2日目を終えた段階で、得点率のトップに立った主役の福来剛以下、4位までを地元の東京支部勢が占拠。中でも、2位タイに付けていた加藤政彦が予選ラストの2走を「2着・1着」でポイントを加算して、自身初となるV戦のポールポジションを掴み獲った!
さらに、桑原将光・福来・渡邉雄朗・渡辺豊と東京支部勢がV戦の5席を占拠。一方、江戸川を愛する気持ちは地元勢にも負けていない滋賀支部の是澤孝宏が、低調モーターに苦しみながらも類稀なる「波乗り手腕」を駆使して、遠征勢では唯一のベスト6入りを果たした。
なお、最終日の開催も、3日目に吹き荒れた南風(追い風)が吹き止むことはなかった。さらに、潮回りも風向きと逆目の「下げ」基調だったため、1Rから安定板が装着された他、2周戦に短縮された2R以降は本格的な「波乗り勝負」となった。ただし、順目の「上げ潮」に変化したV戦に限れば、うねりは大分軽減していた。
そして迎えたレースの方は、スロー枠の3者(加藤・桑原・福来)と渡邉雄(5号艇)の4人が、いずれも「0.10近辺」の踏み込み。特に、ダッシュを目一杯乗せたのは渡邉雄だったが、伸び切るには至らず…。よって、スリット隊形は「イン有利」ではあったが、先マイに出たインの加藤に対し、3コース発進の福来が強烈な「全速捲り」を敢行した!
その福来は、レバーを落とした加藤を引き波に沈めて一気に先頭へ躍り出たが、絶妙な「小差し」でブイをロスなく回した桑原が、バック線をフル被りで肉薄。しかし、福来は慌てることなく、続く2Mで桑原を「抱きマイ」で交わすと、この時点で「V」が確定的になった。
なお、2Mで福来を深追いした桑原は、福来の引き波に乗って失速気味となり、「捲り差し」から3番手に付けていた渡邉雄が桑原を逆転して2着に入線。さらに、同2Mで加藤と渡辺豊(6号艇)も差し上がってきたが、桑原は次の2周1Mでその2者を捌くと、最後まで粘りを見せた加藤の猛追をギリギリ抑え切って3着に入った。
さて、「江戸川番長決定戦」は今シリーズで3回目。過去2大会は濱崎誠(初代)・小池修平(2代目)と、どちらも「大阪支部勢」が制していたが、予選終了後のインタビューで福来は「今回は地元勢が良い枠で乗れましたし、地元の誰かが勝てれば…」と話していた。その言葉を自らが「有言実行」できたのだから、気分は最高だろう。
その福来、3日目終了の時点における機力は、欠点こそないものの「中堅近辺」という見立て。センターから勝ち切るほどのパワーは感じられず、本人は「本体整備」も視野に入れていた。
実際、優勝戦は「リング2本」を交換して挑み、「(握った)1Mは良く掛かってくれた。整備員さんの(アドバイスの)おかげですね!」と満面の笑み。強めの追い風が吹く1Mを膨れることなく捲り切れたのは、荒水面でも握れる度胸満点の「乗りっぷり」だけでなく、本体パワーを整備で「底上げ」できたことが大きかった。
ちなみに、福来の「当地V」は2018年3月の「スカパー!・JLC杯」以来、2年半ぶり。最近は調整面で正解が出ないことも多かった江戸川だが、通算で「25優出&7V」と抜群の実績を誇る地元屈指の「波乗り王」。「3代目江戸川番長」に相応しい福来は、今後も地元ファンの熱い期待に応え続けてくれるはずだ。
最後に、今年3月の「平和島ボートレースクラシック」でSG戦「初出場&初優出」を成し遂げた福来にとって、2020年はまさに飛躍の年。今後は「G1ロード」を転戦するとともに、来月には大一番の「SG大村ボートレースダービー」も控えているが、機出しのレベルを上げて、まずは一発「記念タイトル」を勝ち獲りたいところだ! |