【優勝】石渡鉄兵(3716・東京)オール東京支部によって争われた、お盆開催の「第39回大江戸賞」は、節間を通して好コンディションに恵まれ、18日(金)にV賞金「150万円」を懸けたファイナルの優勝戦が行われた。
その最終日は、気温が上昇して、オープニングの1Rから南寄りのホーム「追い風」が吹いていたが、レース終盤の11Rに突如として、真逆の「向かい風」に変化。それに対し、優勝戦は順目の「下げ潮」が入る条件ということで、水面コンディションは絶好だった。ただ、レース前の追い風が吹く中で「S特訓」を行っていた選手たちにとっては、仕掛けに神経を遣う一戦となった。
そして迎えたレースでは、優出6選手の中でも、群を抜く“S巧者”として鳴らす、内枠の石渡鉄兵(1号艇)と柳田英明(2号艇)の両者が、ともに快心の「ゼロ台」でスリットに突入。中でも「コンマ07」のトップSを決めた石渡は、グイグイ足を伸ばすと、1Mを一気に先取り、バック線では後続艇を千切っての“圧勝劇”で、早々と優勝を確定させた!
また、カドから覗いた矢崎誠一(4号艇)に絞られかけた一瀬明(3号艇)だったが、矢崎をギリギリのところで抑え込んで外をブン回すと、続く2Mでは、2コースから差し上がった柳田を冷静に捌いて2着を確保した。
一方の3着争いは、柳田・大池佑来(6号艇)・村田修次(5号艇)の3者が絡む大接戦となったが、それを制したのは、若きテクニシャンの大池だった。2周2Mを全速で握って回り、ホームストレッチでは柳田と並走する形だったが、再び最終1Mで渾身のフルターンを敢行。サイドの利いた鮮やかなターンで3着に入線した。
さて、今節は当タイトル「7V」の“大江戸賞男”である濱野谷憲吾が不在。それに加えて、前回の「62周年記念」と同じ好素性の「55号機」を引き当てたことも相成って、戦前から“1強”と召されていた石渡だったが、シリーズの序盤は「伸びはいいんですけど、曲りにくい」と試行錯誤の調整が続いた。
そして、正解が出たのは、ダッシュ枠(4号艇&5号艇)から連勝ゴールを決めた予選最終日の4日目で、丹念なペラ調整とともに、チルトを1度に跳ね上げたことで、「伸び」が一段と強化したばかりか、課題の「乗り心地」も改善された。
優勝戦で2着だった一瀬が「あの男(石渡)のS力と調整力は凄い。(江戸川の)キングの仕上げだね」と舌を巻くほどの完璧なパワーを引き出して、最後はこれぞ“横綱”という走りでシリーズを締め括った。
なお、この勝利で今年「V4」とした石渡。この後は、いよいよボートレース若松で行われる「SGボートレースメモリアル」に、後輩の山田哲也とともに江戸川推薦で出場する。
昨年暮れの住之江「グランプリシリーズ戦」で優出した後、今年走った3度のSG戦では、全て予選敗退に終わっている石渡だが、「いつも江戸川を走ると、調子が上向いてくる」の言葉通り、今回も“テッペイ”の聖地である江戸川で最高の流れを掴んだ。蒼々たるメンバーが集結している大一番でも、石渡らしい攻めの走りで好勝負を演じて欲しいところだ。 |