【優勝】西村拓也(4397・大阪)季節の変わり目らしく、節間を通して風向きが一定しなかった「第38回報知新聞社杯」。最終日は「緩い向かい風」+「上げ潮」主体で、風向と潮は対峙していたが、水面状況は概ね良好。優勝戦の時間帯は潮が止まり、江戸川らしからぬ(?)絶好の静水面でラストバトルが行われた。 レースは、前本泰和(1号艇)とアウト枠の眞鍋賢司(5号艇)&浅見昌克(6号艇)が、コンマ0台の鋭い踏み込み。しかし、極端なバラつきはなく、インの前本が絶対有利な隊形に。しかし、先マイ態勢の前本に、白石健(2号艇)が“一か八か”のツケマイ攻勢に出た。この攻めはやや流れ、捲り差した浅見、イン立て直しの前本、カドから差した西村拓也(4号艇)でバック直線は4艇が並走。内有利に抜け出したのは西村で、渾身の旋回で2Mを先取り。前本の差し返しを封じて、Vを確定付けた。 2着はそのまま前本がキープ。1周2Mで白石を牽制して回った浅見が3着を確保。なお、圧倒的な1番人気に支持された前本は、優勝戦1号艇の連勝記録が「11」でストップした。 さて、優勝を飾った西村は、これが通算「13回目」のV。序盤の3日間は未勝利も、3日目あたりから気配が上昇。機歴的には今イチの「50号機」だったが、回り足系統が上向き、旋回勝負が利く足回りになったのが大きかった。前日の優出選手インタビュー時に「ここを勝てば24場制覇に近づく」と笑っていたが、肩の力が抜けた自然体のハンドルが勝利をもたらした。 レース後のウィニングパレードでは、丁寧にファンへ頭を下げ、喜びを噛み締めていた西村。ここ江戸川は今回が4回目の参戦だが、初出場時(2007年4月・日刊ゲンダイ杯)から、この難水面乗りこなしていた印象が強い。レース後には「また(江戸川に)いいイメージで来れそうです」と語り、当地水面に対する自信を更に深めた様子だった。 この後は福岡一般戦を挟んで、新鋭王座決定戦に替わって新設された「G1・第1回ヤングダービー(戸田)」に臨む。まだ特別戦でのVこそないものの、SG戦出場は4回を数え、G1戦でも3度の優出と、上の舞台でも結果を出せる地力が付いてきた。V歴ある戸田水面との相性も良く、若手の“スピード狂”が集結する舞台でも好勝負は必至で激注目だ! |