【優勝】中嶋健一郎(4579・三重)初日を予定していた9/6(火)が強風高波浪のため一日順延となり、「第17回日本財団会長杯」の優勝戦は9/12(月)に行われた。この日は北東方向からの「向かい風4m/s」に対し、潮の流れも「下げ潮40cm/s」という良好な水面コンディションの元、ファイナルバトルのスタートを迎えた。 “当地3連覇”が懸かる鈴木博(1号艇)と、今年“5V”へ気合が漲る松田大志郎(2号艇)が人気を二分したV戦だったが、鈴木はS展示でスピードが全く乗らず出遅れ(L)となり、周回展示でも気配が著しく変調していた・・・。 結局、鈴木は浮遊物を巻き付けていたため、再展示を実施。その再展示での気配自体は何ら問題なかったが、ポールポジションの1枠で人気を一身に背負う鈴木にとっては、何とも気懸かりな決戦前のアクシデントだった。 そしてレースの方は“速いスリット合戦”となり、肝を冷やす「コンマ01」のタッチSで飛び出したのが、カド発進の中嶋健一郎。内枠両者(鈴木&松田)と3枠の沼田克彦も「コンマ10台」の好Sを決めていたが、ダッシュ乗りも抜群だった中嶋がグイグイ伸ばして絞り捲り一閃!内3艇を一気に叩き潰して、バック線で早くもVを確定させる“圧勝劇”だった。 焦点は2・3着争いに絞られたが、中嶋マークの山崎昭生(5枠)が、内から握り返した沼田に行き場を遮断されたことで、絶好の差し場が開いた大外の山田竜一がズバっと差し込んで、最内をスルスルと浮上。1周2Mも冷静に回して、2着を確保した。 後続は、人気対抗格だった松田が2周1Mで沼田を振り切り、何とか3着で舟券圏内を死守したが、大本命だった鈴木は道中ゴチャついた展開にもまれ込んで5着に敗れた・・・。 さて、爽快な「カド捲り」でVを飾った中嶋だが、今年は6月の宮島に続く「2回目」の優勝。通算でまだ“3V”だが、強豪が大挙集結した7月の住之江60周年で準優進出を果たしたように、力量アップが目覚ましい三重の気鋭だ。 前日のインタビューでは、「差して1等が取れる感じではないし、捲って行きたい!」と捲り宣言をしていた中嶋。「伸び型」の特性が生きる「4カド」に収まったことに加え、絶好のカマシ風(向かい風)も吹きV機が到来。度胸満点のタッチSで捲り切る、快心のレースでシリーズを締め括った。 そして、展開が向いたとは言え、2着の山田も最後まで魅せた。準優後に「皆(優出メンバーは)出てるけど、3着くらいには絡みたいね」と控え目に語っていたが、機力不足+大外という厳しい条件下での“銀メダル”は立派だ。“熱き東京支部長”の奮闘が光ったV戦でもあった。 |