【優勝】鳥居塚孝博(3686・群馬)「第15回日刊ゲンダイ杯」の優勝戦が行われた最終日は、終始南寄りの「追い風」がやや強めに吹き、9Rあたりをピークに水面が多少荒れたが、最後の大一番は「上げ潮」が強まってきたことが幸いし、まずまずの良コンディションでのレースとなった。
予選をオール2連対で突破し、ファイナルの1号艇を得た地元の奥平拓也が1番人気に支持され、今年すでに「V3」のスタート巧者・松村敏(3号艇)が続く2番人気に押されたが、勝ったのはカド4号艇の鳥居塚孝博だった。
レースの方は、3コースの松村が「コンマ12」のトップS。ダッシュの乗りも良く、ジワっと覗いて行ったが、2号艇の森脇徹が抵抗。加えて、イン先マイの奥平も旋回がやや膨れ気味となり、そこをズバっと差したのが鳥居塚だった。その後、奥平も諦めずに2Mをツケマイ、2周1Mは渾身の差しを狙ったが、いずれも鳥居塚が冷静なターンで凌ぎ、嬉しい当地初Vが確定した。
2着には、そのまま奥平が入線。前日に「1号艇ではやられてるイメージが強い…」と話していたが、本当に悔しい2着惜敗だ。これで江戸川の優勝戦では、3回連続の銀メダル。ちょうど1年前のスポニチ杯でも、V戦の1枠を手に入れながら、大外(福来剛)の猛烈な捲り差しに屈しており、どうにも勝ち切れない。それでも今節は、予選をトップ通過とシリーズは力強く牽引。参戦機会の多い“純地元”水面だけに、挽回のチャンスはそう遠くないはずだ。
一方、捲り差しで割ってきた濱崎直矢(5号艇)と差し伸びた新地雅洋(6号艇)を、2Mで落ち着いて捌いた松村が3着に食い込み、意地を見せた。最初の1Mは内艇の抵抗により攻め切ることはできなかったが、代名詞でもある好Sをビシッと決めたのはさすがだった。
さて、優勝を飾った鳥居塚は、2009年4月の一般戦(芦屋)以来、約6年ぶりとなる久々のV。スタートにややムラな面はあるが、道中の巧旋回で渋太さを発揮する一般戦の安定株。今節も予選5走で「1着1本&2着4本」のオール2連対。追い上げるレースもあり、真骨頂の“粘り”を存分に発揮した。当地9回目の優出にして初の栄冠。デビュー後に初めての1着(水神祭)を飾った思い出深い江戸川を制し、喜びもひとしおだろう。
また、鳥居塚にVをもたらした「35号機」は、やはり強力だ。新機一節目に地元の柾田敏行が「これ、エース機になるんじゃない!?」と話していたとおり、波をグイグイ越えて行くパワーがすごい。この先も「35号機」は要注目だ! |