【優勝】長尾章平(4264・山口)4日間の短期決戦で争われた「BOAT Boyカップ」は、節間を通して水面状況が安定せず、最終日も午後から「追い風」が多少強まった。そして迎えた優勝戦は、風向きとは逆の「下げ潮」がやや強まり、安定板こそ着かなかったものの、波高10cmと若干ポチャつく水面でのレースとなった。
その優勝戦だが、S展示で「コンマ01」の踏み込みを見せていた1号艇の長尾章平が、本番でも「コンマ11」のトップSを決めた。スリット隊形もバラつかず、伸びてくる艇も不在。この時点でイン長尾の楽勝かと思われたが、1Mでまさかまさかのオーバーターンに…。労せず抜け出したのは2コースの赤坂俊輔で、ブイを舐めるような巧差しを決め先頭に躍り出た。
しかし、続く1周2Mで、今度は赤坂の艇がバタつく大きなロス…。そこを冷静に差し込んだのが長尾で、赤坂をホーム直線で捉えた。そして、次の2周1Mで赤坂の差しを堪えた長尾が、2周2Mを丁寧に回し、ようやくVが確定的となった。
2着にはそのまま赤坂が入線。一方、3番手追走の宮崎奨(6号艇)は、道中で木下翔太(5号艇)の激しい追撃を受けたが、しぶといコーナーワークで凌ぎ切り3着を死守した。
なお、捲れず差せずで中途半端になった谷川里江(3号艇)と、苦しい外マイを余儀なくされた北中元樹(4号艇)の中枠両者は、見せ場なく大敗に終わった…。
さて、完勝とはいかなかった長尾だが、優勝は2014年5月の地元・下関以来2年ぶりで、レース後の水上セレモニーでもファンの前で本当に嬉しそうな表情を浮かべていた。前日のインタビュー時に「出足は自分の中では一番だと思う。ここ2年くらいで一番いいかも」と自信のパワーに仕上がっていた。
シリーズ序盤の早い段階で本体・ギヤケースをチェックした後は、慌てることなく終始リラックスした様子だった長尾。モーターに全幅の信頼を置き、レースに集中できたことが“オール2連対”でのVという最高の結果に結び付いた。
また、江戸川は2012月5月(第36回サンスポ杯)・2013年3月(ボートレース研究ファン感謝祭)に続いて、3回目の優勝。強豪が揃った昨年6月の60周年記念でも準優へ駒を進めており、当地との水面相性はかなりいい。A1級に完全定着しているとおり、捌きのテクニックは確かで、次回の当地参戦時も好レースを見せてくれるはずだ。 |