【優勝】山田哲也(4297・東京)今年の「ゴールデンカップ」は、例年にも増して南寄りの「追い風」が強く、予選道中は安定板装着&周回短縮で行われたレースも多かったが、優勝戦は一転して風のほとんどない絶好の水面コンディションで争われた。
予選1位通過の山田哲也&2位の福来剛が、準優でともに1号艇から3着に敗れ、V戦の1枠を手にしたのは若林将。ファイナルはその若林が、圧倒的な人気を集めた。
レースは、全員が「コンマ10~1艇身」というスタートを決め、ほぼ横一線のスリット隊形。トップスタートを決めたインの若林に対して、3コースから山本英志が捲ったが、その山本の懐を目掛けて、5コースから捲り差しのハンドルを入れたのは山田だった。
その山田はバック線で山本を捕らえると、2Mは内有利に先マイし、あとは悠々の一人旅。そのまま先頭でゴールし、自己通算「20回目」、江戸川では「2回目」の優勝を飾った。
2着には山本、3着争いは最後まで接戦だったが、若林が熊谷直樹(4号艇)を僅差で振り切った。なお、人気の若林が3着に敗れたこともあって、3連単が万舟券となる波乱の決着に…。
近況は尼崎&蒲郡で「予選トップだったのに、それを生かせず…」と、消化不良のレースが続いていた山田。今節も初日の「江戸川選抜」以外は“オール1着”で、予選をトップで通過しながらも、準優は3着。優勝戦はアウトからの戦いとなり、またしても暗雲が立ち込めた。
それでも、最後は鮮やかな捲り差しで快勝し、準優での惜敗はもとより、ここ2節分のリベンジにも成功。まさに“3度目の正直”と言える優勝劇だった。
山田と言えば、強スタートからの“捲り一撃”というイメージが強いが、更に上のステージを見据えて「スリット同体からでも勝てるようになりたい!」と話していたとおり、本人にとっても会心のレース内容だったはず。6月の「G1江戸川大賞」にも参戦が決まっているが、今シリーズと同様に“強さと巧さ”を兼備したレースで、年に一度の祭典を盛り上げてくれることだろう。 |