【優勝】長谷川雅和(4580・岡山)江戸川恒例の「同枠戦」も実施された6日間シリーズ(2準優制)の「第41回日刊スポーツ杯」は、11日(月)に優勝戦が行われた。その最終日は、9R後から南寄りの「追い風」が強まった。対する潮回りは逆目となる「下げ潮」だったため、10Rから安定板が装着された他、「うねり」が強まった11Rと優勝戦(12R)は2周戦にて行われた。 なお、前日行われた準優勝戦では、予選1位の山田康二が快勝してV戦の1号艇を獲得すると、山田とともに今節の“2強”だった湯川浩司も順当に3号艇で優出。“デビュー初V”を目指す2号艇の長谷川雅和を除く5人が「A1レーサー」というハイレベルな一戦になった。 そして、「波高20cm」の荒水面でラストバトルを迎えたが、大外の藤田靖弘(6号艇)以外の5人はいずれも「ゼロ台」でしっかり踏み込んできた。中でも、インの山田は「コンマ04」という“激熱”スタートを決めた。 ただ、その山田は旋回の初動で僅かにバウンド。そのため、先マイは果たしたものの、若干オーバーターン気味になった…。そこをすかさず差し込んだのは2コースの長谷川で、バック線をグイグイ加速すると2M先取りに成功。その2Mで差し返しを狙った山田に内々を突いてきた湯川が絡んだため、長谷川が大きくリードを広げた。 一方、1周1Mの旋回後期で振り込んでしまった鶴本崇文(4号艇)に対して、最内を差した藤田靖弘(6号艇)が接触。バランスを崩した鶴本は、手痛い転覆失格(「うねり」により責任外)となってしまった…。 その事故艇が発生したことで、長谷川の“初V”が確定するとともに、2番手以下も山田・湯川の順で入線。結果的に、スロー枠の3者が上位着を独占する形となった。 さて、優勝した長谷川だが、初日こそ「4着・6着」と大きく出遅れたが、その後の予選道中は「1着・1着・2着・1着」の猛反撃で予選を10位で突破すると、準優戦(5号艇)も快心の「捲り差し」で制した。「全部の足が気に入ってる。バランスが取れていて上位ですね!」と本人も話していた通り、上位機の1つである「58号」は欠点がなく、抜群の噴き上がりを見せていた。 「(前々節の)鳴門のG3では1号艇で失敗(準V)したし、ムチャ優勝したい!」と準優戦後のインタビューでは、初Vへ向けて気合満々だった長谷川。しかし、レースでは熱くなることもなく極めて冷静だった。さらに「2号艇なら水面が荒れてくれた方がチャンスですね」とも話していたが、まさに“神風”とも言える強めの「追い風」が吹いて、2コース向きの「荒水面」になったことも大きかった。 ちなみに、長谷川は初優出も当地(2012年3月の第12回日本財団会長杯)で、「(江戸川は)走ると疲れますけど、成績を残せているし相性がいいですね(笑)」と、当地の難水面を完全に手の内に入れている様子。 なお、長谷川が所属する支部は、数多くの当地巧者を輩出している「岡山支部」で、“江戸川の鬼”として名を馳せる茅原悠紀&平尾崇典は直々の先輩。現状、茅原や平尾のレベルには遠く及ばないが、一歩一歩着実に成長しているのは確か。まだミスは多いが、旋回スキルは高く、次なる目標の「A級昇格」へ今後も奮闘を期待したい! |