【優勝】江本真治(3711・山口)6日間シリーズの「G3第30回アサヒビールカップ」は、節途中の台風14号接近の影響が懸念されたが、日程どおり9月20日(月祝)にV賞金「200万円」を懸けた優勝戦が行われた。
なお、4日間の予選を牽引して、2つの準優1枠を掴んだのは、江戸川の大看板・石渡鉄兵(予選1位)&江本真治(同2位)の「74期コンビ」だったが、江本が準優【11R】をあっさり逃げ切ったのに対して、石渡は【12R】の1周1Mでまさかの転覆失格(※選手責任のため賞典除外)。よって、江本がV戦のポールポジションを獲得した。
その他でファイナル進出を決めたのは、(枠番順に)山田亮太・川島圭司・平尾崇典・大庭元明・池永太。なお、ダッシュ枠に実力も十分の「A1レーサー」が収まったことで、前日の時点から「激戦」が予想されるラストバトルとなった。
そして迎えた最終日は、オープニングの1Rからやや強めのホーム「向かい風」が卓越。そのため、逆目の「上げ潮」が強まってきた6Rより安定板が装着された。ただ、10R以降に限れば、完全にスタンド側からの右横風(東風)になったことで、まずまずの水面コンディションの下で優勝戦の開始となった。
そのV戦で、トップS(0.12)を決めてきたのは「4カド発進」の平尾だった。ダッシュの利いた「快ショット」でスリット線を通過した平尾は、猛然と「絞り捲り」を敢行して「一撃炸裂」かと思われたが、勢い余って旋回がやや飛び気味に…。そのため、ブイ際に「切りシロ」が残ったインの江本は冷静な小回りターンで立て直し、平尾との「バック線勝負」に持ち込めた。
江本はバックストレッチに向くや否や、強烈に加速して平尾との差をジワジワ広げると、続く2Mをノーミスで回し切り、後続を一気に突き放して「V」を確定的なものにした!
一方の「2・3着争い」は、ブイ差しで浮上した池永を、2M外マイで交わした平尾が2番手。池永が先行艇の引き波で失速気味になったところを差し込んだ山田が3番手に浮上してきた。その後は、山田が諦めずに平尾を追撃したが、平尾が2着を死守。山田もそのまま3着に入線した。
さて、大激戦となった1Mを凌ぎ切って「V」を勝ち獲った江本は、2013年9月の「BP習志野開設7周年記念」以来、8年ぶり「2回目」の江戸川制覇。ちなみに、予選トップ通過を果たした前節の地元戦(徳山)では、準優戦で「4着」に敗退。その悔しさを江戸川の水面で晴らすと、ゴール板通過後に小さくガッツポーズ。祝日ということもあり、多数詰め掛けていたファンに対し喜びを伝えていた。
なお、前検日のモーター抽選でエース機(27号)を引き当てた江本だが、シリーズ序盤の時点では色良いコメントは聞かれなかった。それでも、セットで獲得していた「好ボート」の恩恵も大きく、日に日に力強さを増していった。そして、準優戦の後には「着が獲れているし、オレンジプレート(※2連対率50%以上の機)のパワーがある!」と機力に確信を得た。最後も「節イチ」に仕上がった猛パワーを武器に、最も怖い「江戸川の鬼」である平尾を退けてみせた。
ちなみに、江本は今回が2年8か月ぶりの当地参戦だが、出場機会こそ少ないものの、水面相性は決して悪くない。加えて、今節は江戸川を誰よりも知り尽くしている同期の盟友・石渡との同時斡旋ということがメンタルの上で大きかったかも。「(V戦は)鉄兵ちゃんとワンツーしたい」という願いこそ叶わなかったが、最後は「石渡の分まで…」の思いを胸に、最高の結果を導き出した!
また、エース機(27号)は、これで前節(操者:濱崎誠)から「2連続V」と勢いが加速。同機は8月の「新小岩ホルモン平田杯」で小池修平が転覆し、その際に「プロペラ」+「ギヤケース」が交換されたが、変調をきたすどころか更にパワーアップしている印象だ。よって、驚異の2連対率(60.2%)を誇る真のエースモーターは、今後も引き当てた選手に「福」をもたらし続けることだろう! |