【優勝】一瀬明(3641・東京)「第34回東京スポーツ杯」を制したのは、地元の一瀬明だった。優勝戦で1枠を射止めた一瀬は、インから堂々と先マイ。外の動きは完全に封じ切って逃げ、昨年11月の蒲郡以来となる美酒を浴びた。これが自己通算「32回目」のVで、当地では前回(昨年1月)に続いて「2回目」の優勝を果たした。
レースの方は、宣言通りに益田啓司が3コースから捲り勝負に出たが1Mで流れてしまい、そこを間髪入れず差し込んだカドの高沖健太がバック最内を突いて、そのまま2Mも先取りして2着をキープ。
激しかったのは3着争いで、1Mで一旦は引き波に沈んだ2号艇の山口裕二が猛追して、2周2Mでついに益田を捕えて逆転した。なお、中嶋誠一郎(5号艇)の差しは遅く、前を追っていたが及ばず。コースが遠かった大外の北川幸典は、1Mで外を回って終始後方。ともに見せ場を作ることはできなかった。
さて、優勝した一瀬だが、今節は(前節の60周年記念で石渡鉄兵が準優勝した)60号機をゲット。前検日こそ調整が合わず首を傾げていたが、初日にはしっかりとペラを合わせて連勝発進。さらに、3日目の不利枠(5・6枠)でも連勝を飾るという快挙を見せ、V戦のポールポジションを手中。優勝戦前のインタビューでは、「絶対に優勝します!」と宣言していたが、その言葉通りに勝ち、レース後は満面の笑みでファンに手を振っていた。
予選道中は起こしの足がイマイチで、唯一不安材料はスタートだったが、終わってみれば「コンマ11」のトップスタートを繰り出し、完璧なレース内容だった。水面の方も、節間を通して比較的穏やかで、一度も安定板が着くことはなかった。それほど波水面が得意ではない一瀬にとって、気象条件の面でも戦いやすく、機力に加え、自らの技量でも勝負ができるコンディションだった。
地元選手の割に、江戸川を走る機会が最近あまりない一瀬だが、当地“3連続V”がかかる次の参戦が今から楽しみで、間を置かずに来て欲しいところだ。
そして、優勝戦メンバーの中では明らかに足劣勢だった高沖健太も、最後まで魅せてくれた。その機力的なハンデを卓越したコーナーテクで補って、巧く差し2着を奪取した。近況は浜名湖&芦屋で2場所連続の優勝を飾るなど充実。3場所続けてのVこそ成らなかったものの、存在感ある走りはさすがの一言だった。 |