【優勝】角谷健吾(3613・東京)6日間シリーズ(2準優制・同枠戦採用)の「第38回東京スポーツ杯」は、12月2日(月)に行われる予定だった5日目の開催が強風高波浪のため中止・順延となり、当初の予定より一日遅れの4日(水)にファイナルの優勝戦が実施された。
なお、5日目に行われた2組の「同枠戦」&「準優戦」は、前半の同枠戦(一般戦)を1号艇の榎幸司(予選1位)&魚谷智之(同2位)が、いずれもインから逃げ切って勝利。しかし、後半の準優戦では榎と魚谷がともに2着で、V戦は中枠回りとなった。
対して、1つ目の準優戦(11R)を岡山支部の末永由楽が「3コース捲り」で快勝すると、続く準優12Rは、5コース発進だった地元の角谷健吾が「捲り差し」を決めて1着。その結果、予選6位通過だった末永がV戦のポールポジションを獲得した。
そして迎えたV戦は、「追い風」+「下げ潮」という条件ではあったものの、風が穏やかだったため、まずまずの水面コンディションとなり、インの末永がしっかりとトップS(0.11)を決めてきた。なお、スリット後に覗いたのは、大外の中山雄太(6枠)だったが、出切るには至らず、横一線に近い「内有利」の隊形となった。
勝負処の1周1Mを先に回った末永だったが、勢い良く握り過ぎて少々旋回が膨れ気味に…。その末永に肉薄してきたのは、2コースからターンマークを舐めるように差し込んだ角谷。なお、直線の脚勢は末永の方が少し優勢だったが、バック線の半ば過ぎで末永に並び掛けた角谷が、内有利に2Mを先取りした。
その2Mで「差し返し」を狙った末永だったが、内々を切り込んできた榎(3枠)と中山の2者を回す形となったのは誤算だった。末永が2本の引き波を越える間に、角谷は先行態勢を築くと、ホーム直線で末永を振り切り、2周1Mを軽快にターン。そこで末永との差を一段と広げた角谷の“V”が確定的となった!
なお、2着にはそのまま末永が入線。そして、1周2Mを差し込んだ下條雄太郎(5枠)が3番手を航走していたが、魚谷(4枠)がその下條を猛追。2周2Mを的確な小回りで下條を捉えて、魚谷が逆転で3着に入った。
さて、絶妙な「2コース差し」を決めて混戦のファイナルを制した角谷は、7月の戸田、そして、9月の宮島に続く、今年「3回目」の優勝。今シリーズは、直線の威力に欠ける「71号機」とのタッグだったが、3日目に施した本体整備と、丹念なペラ調整の甲斐あって、4日目辺りから気配が上昇。「出足や掛かりは良かった。2コース向きに仕上がってましたね」と、機歴を考慮すれば“満点”に近いパワーを引き出した。
その角谷は、昨年2月の「G1関東地区選手権」以来の当地参戦で、シリーズの序盤は江戸川の水面に戸惑いを感じていた。それでも、「江戸川は久し振りでしたし、優勝できるとは思ってなかったけど、今節は水面が荒れなかったことも大きかったですね」と冷静に振り返った。
実際、今シリーズは中止・順延こそあったものの、節間を通して安定板装着でのレースは一度もなかった。荒水面をやや苦手としている角谷にとっては、好コンディションの下で、一歩一歩水面にフィットできたことは大きく、2003年8月以来、約「16年ぶり」の“江戸川制覇”を成し遂げることができた。
また、無類の“安定感”を誇る角谷は、今年3月のSG「戸田ボートレースクラシック」にも出場しているように、“マスターズ世代”に突入した現在も、全ての面において高いクオリティを保っている。今後も地元・東京支部の“牽引役”の一人として、更なる活躍を期待したいところだ! |