【優勝】飯島昌弘(3679・埼玉)「第16回日本財団会長杯」で優勝を飾ったのは、埼玉の飯島昌弘だった。インから「コンマ15」のトップスタートを決めて難なく逃げ切り、昨年10月の津以来、通算では36回目、江戸川では5回目のVを達成した。
2着には、差した4号艇の竹田辰也が2M抜け出して、接戦に断を下した。同じく差してバック線では2番手を走っていた2号艇の金田大輔は、2Mで3号艇の飯山泰と接触する不運で後退し、3着が一杯。また、5号艇・佐藤大介の差しは遅く、捲った飯山と中越博紀(6号艇)も不発に終わり、いずれも見せ場は作れなかった。
勝った飯島は前走地の蒲郡でFを切ってしまい、メンバー中ただ一人“足かせ”のハンデがあった。それでも、ここ一番で教科書通りとも言える理想的なスタートを放ち、堂々と逃げ切ったのはさすがの一言。
今節コンビを組んだ「59号機」は(事前に中間整備が入っていたものの)20%台の低調機で、実際のところ、前検の動きは芳しくなかった。しかし、初日の「江戸川選抜」では戦えるレベルにまで上昇させて2着争いを競り勝った。予選道中は調整を外すこともあったが、出足&ターン足をしっかりと仕上げて、“捌き巧者”らしく手堅くまとめ、得点2位でセミファイナルへと駒を進めると、予選をトップ通過した飯山が準優で2着に敗れたため、優勝戦のポールポジションを獲得。その流れの良さをしっかりと生かし切っての鮮やかなVゴールだった。
今シリーズは、節間を通して水面状態が穏やかだっただけに、荒水面を全く苦にしない飯島にとっては消化不良(?)の戦いだったかも知れないが、結果オーライで最後を締め括った。ピットではいつも飄々(ひょうひょう)としているが、決めるところは「ビシッ」と決めるタイプの飯島。優勝戦では、準優で飯山を差し切り、同じ2コースからデビュー初Vを狙っていた金田や、虎視眈々と準優のリベンジに燃えていた地元の飯山などがエントリーしており、比較的オッズは割れ気味だったが、終わってみれば飯島の完勝。他艇も、インから完璧なレースをされては脱帽するしかなかった。 |