【優勝】鈴木博(3412・埼玉)今開催は強い南風が吹くことが多く、連日のようにスタート事故が発生。そして、強風高波浪の影響で順延された日もあった。迎えた最終日も、午前中は水面が大荒れになり1Rの発走が遅れるなど、節間を通じてアクシデントが多かった。 そのようなシリーズを象徴するように、大一番の優勝戦もV争いが最後の最後まで縺れた。レースは、3コースから果敢に捲って出た鈴木博が流れ、インから「コンマ12」のトップスタートを決めた荒井翔伍が一旦は先行。だが、鈴木が1周2Mで後続艇を振り切り2番手をキープすると、前を走る荒井を猛追。そして、2周2Mで舟がバタついた荒井の懐を突いて交わし、ついに大逆転Vを収めた。 これが自己通算で「48回目」、江戸川では「8回目」の優勝を飾った鈴木は、「捲って行きたい!」の前日インタビュー通りに有言実行。1Mではその捲りが及ばなかったものの好位置を確保し、最後の最後まで諦めずに走ったことが功を奏した。 前回(2015年末の京葉賞)に優勝した時は、モーターも文句なく仕上がっていたが、今回コンビを組んでいた「30号機」は思うように仕上がらず、本人も「いつもの江戸川に比べて伸びがイマイチ」と、優勝戦の中では決して威張れる足ではなかった。それでも、思い描いていた通りの攻めができたことに加え、優勝戦は苦手とする波水面にならなかったことも大きかった。 逆に、残念だったのは荒井で、優勝候補の筆頭と目されていた中野次郎が準優のFで戦線を離脱し、V戦のポールポジションをゲット。同じ1号艇で3着に敗れた前回V戦(2月)のリベンジを果たすには絶好の舞台となるはずだった…。ただ、地元でファンの多い選手だけに、またしても大きな期待を裏切ってしまったことを猛省する必要はある。そして、課題の“詰めの甘さ”を払拭して、今後の飛躍に期待したい。 一方、後続の3着争いも激しく、鈴木の捲りに乗って差した4号艇の伯母芳恒と、追い上げてきた5号艇の奥平拓也・2号艇の海老澤泰行の3人が、最後まで競り合った。 最終的に3着をもぎ取ったのは海老澤で、今節引き当てた「22号機」は間違いなく素性が良さそう。現行モーターは4月の2節目に使用を開始したばかりだが、すでに機力相場が明確になりつつある印象。この先も「22号機」はしっかりとマークしておきたいところだ。 |