| 6日間シリーズの「関東地区VS九州地区・第36回東京スポーツ杯」は、3日目の開催が強風高波浪のため一日順延となり、30日(木)にファイナルの優勝戦が行われた。
その優勝戦で1号艇を掴んだのは長崎支部の下條雄太郎で、4日目を連勝ゴールで予選トップ通過を決めた後、5日目の「同枠戦&準優戦」も「1着・1着」として、都合“4連勝”でV戦を迎えた。なお、関東地区の「2人」に対し、九州地区「4人」が相対するラストバトルとなった。
また、最終日はオープニングの1Rからホーム「向かい風」が吹く一日。優勝戦の時間帯には「5m/s」と風速が若干強まったが、順目の下げ潮が「20cm/s」ということで絶好の水面コンディションとなった。
迎えたレースの方は、トップS(コンマ11)を決めた川上剛(6号艇)を含めた全艇が「10台」の飛び出し。スリット線からジワっと覗いた前田光昭(2号艇)が、インの下條にボートを寄せて捲りに出たが、これに対して下條が反発。下條は1Mを先に回ったもののターンが大きく膨れてしまった…。
その結果、まさに“絶好の展開”が到来した熊谷直樹(3号艇)が、差して先行態勢を築いた…かと思われたが、熊谷の内を更に角度良く差し込んできたのは、カド発進の松江秀徳(4号艇)だった!
松江はバック線半ばで熊谷に並びかけると、内有利に2Mを先取り。熊谷も差し返しを狙ったが、最内を差し上がった川上剛(6号艇)を回す形になったことで一歩後退。熊谷との差を広げることができた松江は、続く2周1Mをミスなく回し切ってVが確定した。
一方、熊谷は2周2Mで内々をアタックした川上を、冷静な“抱きマイ”で交わして2番手を確保すると、川上もそのまま3着に入線。断然の1番人気を背負っていた下條が着外(4着)に敗れたことで、3連単の「4-3-6」は、4万舟(48,320円)という大波乱になった。
さて、当地3年8ヶ月ぶりのブランクを跳ね返して、江戸川“初V”を飾った松江は、蒼々たるタレントが揃う“銀河系・85期”の一員。スタート力は極々平均的で、積極果敢に仕掛けるレースもあまり多くない反面、ハンドル捌きは柔軟で「差し」や「捲り差し」の巧さには定評がある。
なお、通算のV回数を「23」に伸ばした松江だが、インからの優勝は「8回」と少なめ。その一方、今回を含めると中外コース(3~6コース)で「13回」もVを勝ち獲っているのは、機動力の高さの表れだろう。今節は5日目まで未勝利ではあったが、最後は「差し」が利きやすい地元(からつ)で培われたテクニックを随所に発揮した。
それに加えて、近況“最悪”と言えるほど低迷していた相棒(12号機)を「本体もペラも、貰った時からグチャグチャになるくらいやりました」という懸命な整備&調整によって、完璧に立て直したことも賞賛に値する。自身も最近は不調だったが、まさに“粘りの勝利”とも言える今回の「V」で、悪い流れは断ち切れたはずだ! |