【優勝】寺本重宣(4086・東京)今年の「ゴールデンカップ」は5月13日に優勝戦が行われたが、前日(5日目)に吹き荒れた南の追い風は止んで、今節一番とも言える好水面での戦いとなった。レース前は「水面がいいと、行き足の差が出てしまうから不安…」と弱気だった寺本重宣だが、終わってみればポールポジションのインから“コンマ14”のトップスタートを決めて、堂々の逃げ切りV。昨年暮れの京葉賞から、江戸川連覇を達成した。 レース展開は、インの寺本に対し、2コースの野添貴裕がツケマイ勝負という“奇襲”に出たが、それを冷静に察知した寺本は野添に合わせて先マイに成功。3コースから予選得点1位の快速・大池佑来が渾身の差しを入れたがあと一歩及ばず、寺本が押し切って逃げ態勢に持ち込んだ。 これが通算「6回目」の優勝となる寺本だが、その半分の「3回」がここ江戸川。旋回半径がバッチリ合う上に、波水面にも滅法強い。当地“3連続V”を狙っての参戦となる次回が早くも楽しみとなった。 大池が2着で続いたが、暮れの京葉賞に続き、先輩格である寺本の後塵を拝した。勝てばV戦の1号艇が確定したはずの前日(準優12R)が、近年でも例を見ないほどの荒水面となり、そこを2着。結果、3号艇回りとなったのは痛恨だったが、何ら恥じることはない。今節は予選「7戦6勝」でシリーズを引っ張ったし、これで江戸川は「5連続」優出。5優出のすべてをスロー枠(3枠以内)で乗っているのが、当地における安定感を物語っている。すでに地元・東京支部勢の中でも“江戸川最強クラス”に到達しており、次回以降も主役の走りは必至だろう。 一方、5号艇の永田秀二・6号艇の桑島和宏との3着争いを制したのは野添。展示から大池とともに気配は抜群で、機力完調で臨めたようだ。「若い頃は全然乗れなかった」と言う江戸川も、「最近は何でか乗れるようになってきた(笑)」と難水面を徐々に攻略。江戸川ファンの度肝を抜いた準優12Rの全速捲り差しを含め、質の高い走りを見せた今開催だった。 チルトを1度に跳ね上げて伸び勝負に出た永田は、何と言っても“コンマ29”の平凡スタートが惜しまれる。また、大外の桑島は更に遅い(コンマ39)の仕掛けに…。これでは最内を差すしかなく、3着争いに顔を出すのが限界だった。 また、4号艇の長谷川充は、このメンバーに入ると明らかに伸び劣勢だった印象。水面が荒れればチャンスもあったのだろうが、機力差が如実に出る向かい風の静水面になったことで、厳しい戦いを強いられた。 最後に、6月の第一節には江戸川の祭典「G1江戸川大賞・開設59周年記念」が開幕を迎えるが、今節の選手班長を務めた鈴木茂正が再度参戦する予定。大波の準優戦を突破できず(4着)、優出は逃してしまったが、「波に負けないし、エンジンは出てるよ」の好足を武器に、持ち味の堅実な走りを見せてくれた。ボート界きっての強豪が揃う次回のG1戦でも、円熟味を増した捌きと純地元の強みを生かして奮闘に期待したい。 |