【優勝】石渡鉄兵(3716・東京)2021年度の開幕シリーズ「外向発売所開設9周年記念・富士通フロンテック杯」は、6日間の2準優戦で争われ、日程通りの4月13日(火)に優勝戦が行われた。
ちなみに、当節は昨年4月の2節目から使用されてきた「モーター」・「ボート」・「プロペラ」の使い納めとなるシリーズだったが、その「シリーズリーダー」に君臨したのは「江戸川キング」の石渡鉄兵。予選を堂々の1位で通過すると、準優戦もインから圧勝して、順当にV戦のポールポジションを掴んだ!
その他、石渡以外の「初日選抜組」からは、「オール3連対」で2位通過と快走した重野哲之と、岡村仁の両者がベスト6入り。さらに、気っ風のいい攻めを連発した片橋幸貴・南野利騰に加えて、「波乗り巧者」の長谷川充も持ち前の「粘り」を発揮して、6強メンバーに名を連ねた。
そして迎えた優勝戦は「8m/s」の追い風に対し、上げ潮が「60cm/s」という「内コース有利」のコンディションの下でレース開始となったが、トップS(0.15)を決めてきたのは、やはりインの石渡だった。それに対し、他の5者はいずれも「20~30台」のSTと仕掛け切れなかったため、機力にも余裕のあった石渡が真っ先に勝負処の1Mへ到達。
その石渡は「捲り」も「差し」も封じる完璧なターンで、1Mを悠々と先マイして一気に先行。さらに、直線に向いて思い切り伏せ込むと、バックストレッチで瞬く間に後続艇を引き離し、続く2Mを力強く回り切った時点で石渡の「V」が確定した!
よって、焦点は「2・3着争い」に絞られたが、2コースから差して順走した重野が、2Mで「2番差し」から内を突いた南野を捌いて、2着を確保。一方、1Mをツケ回った片橋(3枠)は、2Mで内々を切り返した長谷川(6枠)と接触して万事休す…。
その2Mを差した岡村と南野による3着争いとなったが、2周1Mで先行艇の引き波に乗った南野を、差し込んだ岡村が猛追。しかし、岡村は最終2Mを先回りに出たものの、舳先がターンマークに接触。そこを捌いた南野が3着に入線した。
さて、終わってみれば戦前から「絶対的な主役」としての期待を背負った石渡の「圧倒劇」で幕を閉じたが、前検日のモーター抽選では、1年間通じて「看板機」の1つとして活躍した「70号機」を獲得。その時点で早くもVへの「気運」が感じられたが、実際に石渡は「節イチ級」のパワーを引き出してきた。
なお、石渡としては、2019年正月の「新春金盃」以来となる久々の江戸川制覇(※通算21回目)だったが、「準V」だった19年9月の「64周年記念」から今節に至るまで、これで当地は「7連続優出」と安定感は抜きん出ている。「巧さ」+「強さ」を兼ね備えている石渡の「江戸川伝説」は、今後も長らく続いていくことだろう。
また、「良いリズムで下関に行きたいですね!」とも話していた石渡の次節は、濃いメンバーが集結するプレミアムG1の「マスターズチャンピオン」で、歴戦の古豪に加えて、現役のSGクラスも数多く参戦する注目の大一番。初出場だった昨年(津)は準優止まりだったが、目指すは当然6強入り。ゴリゴリと内コースを狙う面々も多いだけに、スロー水域が混み合うようなら、石渡らしい「ダッシュ攻勢」を繰り出し、「江戸川の看板」としての意地を見せ付けたいところだ! |