【優勝】入海 馨(4886・岡山)今回の勝利を一言で名付けるなら、『辛勝』と言ったところだろうか。10月25日(水)に行われた「第47回日刊スポーツ杯」(5日間開催・得点率制)の優勝戦は、辛勝ながらも入海馨のイン逃げで決着した。スタート展示から僅かに劣勢な雰囲気を醸していた入海だが、いざ実戦のスタートタイミングもコンマ19の6番手発進。些か不安に見えていたスリット足が本番で露呈したとも言えるが、逆に突出する艇も不在。隊形としてはほぼ横一線だったため、その分で先マイを打てたことがまず幸いだったか。スリットから徐々に伸び返した入海は、それでもジワり覗いて来る2コース井上を張りつつ渾身の先マイを敢行。この時、強引に攻め込んで来たのは4カドの板橋で、見る前に飛ぶ全速ツケマイ!これをジカ内の山田に浴びせて引き波に入れ、勢いそのまま入海まで襲いかかった。見た目にはこの迷いのない全速戦が決まったかにも見えたが、惜しくも入海のこれまた全速の逃げと完全にバッティング。直後の出足~行き足の差がモノを言って、入海が押し切る形となった。入海がバック3艇身ほど抜け出し、握った板橋の内には差し残した井上。さらにその内から気配抜群だった河合がグイグイと伸び、2番手はこの3者が競る形に。2Mを先取ったのはとにかく力強く伸びた河合で、その回りシロは割合い乏しいものだったが、先頭を走っていた入海がややオーバーラン。引き波のない最内をクルッと回った河合は、一瞬だけ入海に追いついたように見えたが、ここも流石に出足~行き足の差で突き放された。終わってみれば『逃げ』での優勝。3連単1-6-4は167.8倍の48番人気でイン逃げ万舟での決着となった。
スリット・1M・2Mと少々危うい部分を魅せながらも、先頭だけは明け渡さなかった入海はこれが当地初の優勝。今節の入海は6コース戦でラッキーに恵まれて勝利を掴んだり、予選トップ=優勝戦1枠も流れの末に自力で掴んだりと、勝負強さと同等に流れも味方に付けたシリーズだった。無論、この流れを活かしたのも入海本人の実力なのだが、優勝までには様々なストーリーが重なり合うものであると、改めて実感させられたものだ。
入海はこの後2節連続で周年記念への出場を控えており、注目も集まるところ。今回とはまた戦う相手も違うが、流れに乗った時の躍進は期待できよう。スピードとテクを兼ね備える岡山期待の27歳は、ここからどんな躍進を見せるだろうか。 |