【優勝】大澤普司(3740・群馬)2020年のボートレース江戸川を締め括る「第43回京葉賞・トータリゼータエンジニアリング杯」は、潮回りが「上げ」基調だったため、北風(向かい風)がデフォルトとなる冬場としては、水面コンディションが懸念されるシリーズだったが、一節を通して強い風が吹くことはなく、日程通りの12月28日(月)に優勝戦が行われた。
ちなみに、当シリーズは5日間の「2準優制」で争われたが、予選序盤を盛り上げたのは、初日から「1着・1着・2着」と快進撃を演じた大ベテランの藤井定美。その藤井は結局、得点率第7位で予選をクリアしたが、藤井と同じ「群馬支部」の大澤普司(予選1位)・橋本久和(同2位)が準優戦の1号艇を獲得した。
しかし、橋本は準優戦(11R)で痛恨のF失権。さらに、その準優で1着に繰り上がった丹下将は、不良航法(※コース幅の取り過ぎ)を取られて無念の賞典除外に…。一方、大澤は準優(12R)を気合満点の「全速逃げ」で快勝して、V戦の1号艇をガッチリ掴んだ!
そして、迎えた最終日の開催は、微風の穏やかな気象条件となった。ただ、航行船の往来が非常に多く、それに伴う「うねり」が残存するレースもあったが、ラストのV戦は南寄りの追い風が「3m/s」に対して、丁度「潮止まり」の時刻と重なったため、絶好のコンディションでレース開始となった。
迎えたV戦は、全艇が「10台前半」という絶妙の飛び出し。中でも、大澤(1号艇)が「0.10」のトップSを決めてきた。スリット線がほぼ横並びとなったため、「イン有利」の隊形に持ち込めた大澤は、センターから「全速捲り」で強攻に出た高橋英之(3枠)に併せて先マイ。旋回後期でグッと前に押すと、一気に後続を突き放した!
そして、続く2Mも爽快に先取りした大澤は、完全に「一人旅」に持ち込んで、早々と「V」が確定的に。なお、2Mで2番差しからバック線の最内を伸ばした藤井(4号艇)を冷静に捌いた高橋が2着に入線。また、藤井も須藤博倫(2号艇)と平野和明(5号艇)の追撃を凌いで3着を死守した。
さて、今年のラストを最高の形で締めた大澤は、2018年6月の戸田以来、通算では「24回目」の優勝。なお、今シリーズは上位モーターの1つ(65号機)をゲットしたが、予選の段階では納得のコメントは聞かれず、「乗り心地」の部分に不満を漏らしていた。それでも、当初から「実戦パワー」は上々で、最終的にはレベルの高い「好バランス仕様」の舟足に仕上げた。
ちなみに、江戸川においては、2000年3月以来となる、約20年ぶりの美酒。しかし、大澤は平均で「年3回ペース」と当地への出場機会は多く、近年もコンスタントに活躍していた。
また、来期(※2021年前期)は惜しくもA2級に降格してしまうが、前走地の常滑でも「準V」と、ここにきて上昇ムード。「せがれ(※126期の大澤風葵=フウキ)が出てきたからね。真面目に仕事してる(笑) 自分がしっかりやらないとダメだから…」と、自身の後を追ってボートレーサーの道を歩み始めた息子の「手本」になるべく、今後も妥協なくレースに精進することだろう。 |