【優勝】前田聖文(4570・愛知)5月20日(土)「秋川渓谷カップ・第47回サンケイスポーツ杯」(6日間開催・2準優制)の優勝戦が行われた。
優勝戦の1枠には当地のフレッシュルーキー小原聡将が自身初の予選首位突破を果たし、準優勝戦もしっかり逃げを決めて盤石の態勢で構えた。 2号艇には準優勝戦、2コースからジカ捲りで勝利した松田祐季。その隣には捲られたがイン踏ん張って次位に残した池永太。4号艇には5日目までに8走し、3日目の後半レースで4着を取った以外はオール2連対の成績残した前田聖文。外枠には準優勝戦を共に4枠から道中捌いてV戦に滑り込んだ川崎智幸(5枠)と大久保信一郎(6枠)が乗艇した。 優勝戦の6人の中でまだデビューしてから優勝経験がないのは小原と前田。小原は当地の波乗りテクとターン足の良さがある機を駆り、予選6走で4勝挙げる活躍。スタート遅れずに先マイ決めることさえ出来れば、隣に並ぶ松田・池永ら格上の実力者でさえ寄せ付けない旋回出口の雰囲気。 前田は準優勝戦後にV戦は4号艇ということもあり、バランス型で良かったアシを伸び一本の調整に的を絞るか頭を悩ませていた。結局本番ではチルト2度を選択して伸び寄りのセッティングを行い、デビュー初優勝への大駆け一発を狙う作戦に出た。
強い上げ潮と向かい風が吹く中で始まった優勝戦はインの小原がバッチリなコンマ10のトップスタート。1周1Mで先に回り、その後は抜群なターン出口の押し感を活かして悠々と後続艇を突き離した。初優勝への視界が一気に開けたかと思われたが1周2Mでまさかのアクシデントが起きた。ほぼ他艇のプレッシャーはない小原だったがブイを回り切れずに転覆。スタートからは伸び寄りに調整したアシが発揮できず、1周1M回った所で一番外側を走り不利な状況だった前田が2Mでも外を回り一気に先頭へ。ハプニング起きた中を抜け出した前田の後ろには川崎と大久保の外枠2人が続き結果は4-5-6で決まり手は「恵まれ」。159.4倍(53番人気)で高配当決着となった。
前田は2009年蒲郡でのデビュー以来、20回目の優出で悲願の初優勝を成し遂げた。レスキュー艇に乗って現われた前田は少し照れくさそうに笑顔を見せながら、声援を送ってくれるお客さんに手を振り返して、頭を下げた。素直には喜び辛いレースとなったが嬉しい初Vで前田には記念すべき一節に。 来期(2023年7月)からの適用勝率は5.93で再びA2級へ昇格する。この初優勝を糧として自身初の「A1級」を目指し、更なる飛躍に期待したい。 |