【優勝】坪井 康晴(3959・静岡)連日、熱戦が繰り広げられた「GI大江戸大賞・開設59周年記念」。今年の周年チャンプに輝いたのは、静岡の坪井康晴だった。 レースは、1号艇で記念初制覇の期待がかかった中田竜太が“コンマ01”の強烈なスタートを決めたが、潮と風が反発する条件が旋回に影響したか、ややターンマークを外してしまう形に。そのスキを逃さずに、3コースから鮮やかな捲り差しのハンドルを入れた坪井がそのまま後続を寄せ付けず1着ゴール。一昨年5月の福岡周年以来約2年ぶり、通算では10度目(うちSGは2勝)の記念制覇を飾った。 2着にはインから残した中田。3着は2Mで失速しながらも、道中で市川哲也との競り合いを制した松井繁が入線した。地元で唯一の優出を果たした濱野谷憲吾は1Mで果敢に仕掛けたが、2Mでの不利もあって5着。 久々のGI優勝に「ホッとした」と安堵の表情を浮かべた坪井だったが、今後に向けての目標を問われると「賞金王(グランプリ)は毎年意識しているし、少しは近づけたかなって思うけど、まずは目の前の1走1走」と勝利の余韻に浸るのも束の間、早くも次走以降の戦いに向けて気を引き締めていた。 ちなみに、これで江戸川は今年2月に続いての連続優勝。江戸川の相性を改めて問われると「ちょっとは好きになったかな(笑)」と茶目っ気タップリに話したが、前回戦での猛烈な追い上げに続く、今回の鮮烈な優勝劇は間違いなく“江戸川巧者”と呼ぶに相応しいもの。当然、次回以降の参戦も大いに楽しみになる。 また、優勝戦は悔しい2着となりGI初制覇はお預けとなってしまった中田だが、予選トップ通過を果たした上に、今坂勝広・濱野谷憲吾といった歴代の当地周年覇者が1枠から勝ち切れなかった中での準優勝戦の逃走劇など、GIの舞台でも十分に通用する実力があること全国にアピールした。 中田は優勝戦を振り返って「今、自分がやれることは出来たけど、1Mターンを外した自分が悪いし、そこには悔いが残る…」と悔しさをにじませた。ただ、松井を筆頭としたSGウィナーらを相手にインからトップスタートを決めて、堂々の戦いぶりを見せたことで「シリーズを通して自信になりました!特に気持ちの面で大きかった」と、今後への大きな財産を得た様子。今回のようなレースを続けていけば、いずれ近いうちにリベンジの舞台は巡ってくるはずだ。 |