【優勝】上田龍星(4908・大阪)4日間の得点率制で争われた「BP習志野開設12周年記念」は、2日目が強風高波浪のため7R以降が途中打ち切りとなった他、3日目の開催も台風21号の影響による水面状況悪化で中止・順延となり、当初の予定より1日遅れの9月7日(金)に優勝戦が行われた。
その最終日もレース開始前から南寄りの強風(追い風)が吹いて、オープニングの1Rから安定板が装着されると、水面コンディションがさらに悪化した8R以降は周回も2周に短縮された。
よって、ファイナルの優勝戦も「波乗り勝負」になる可能性が高かったが、11Rの時点では「11m/s」も吹いていた南風が、12Rの展示航走が終了すると一気に沈静化。その結果、優勝戦も2周戦で行われたものの、風速「5m/s」の「潮止まり(±0cm)」というまずまずの水面コンディションとなった。
そして迎えたレースは、5号艇の岡村慶太がスタートの時点でプロペラに浮遊物を巻き付けて、無念の出遅れ返還(選手責任外)となるアクシデントが発生。そのため、5艇によるラストバトルとなったが、スロー枠の3者がいずれも「0台」の好Sで飛び出し、中でも1号艇の上田龍星が“激熱”のトップS(0.02)を張り込んできた!
その上田は冷静さを欠いていたのか、先マイは果たしたものの、ターンがやや膨れ気味に…。そこを2コースから地元の飯山泰が的確に差し込んできたが、パワー面で優位に立っていた上田はバック線の半ばで飯山を突き放すと、続く2Mも先取り。2周ホームで飯山との差をさらに広げ“V”が確定した。当地初出場だった昨年2月の「ルーキーシリーズ」では、非常識なF(+0.06)で即日帰郷の憂き目に遭ったが、見事にその雪辱を果たした。
なお、飯山がそのまま2着に入り、2番差しから3番手を走っていた石川真二(3枠)が、小林一樹(4枠)・増田進(6枠)の追撃を封じて3着に入線。よって、内枠勢が上位を独占した3連単(1-2-3)は「570円」というガチガチの本命決着(1番人気)となった。
さて、前節の下関にて驚異の「追い上げ劇」で悲願の“初V”を飾っていた上田は、今節も前検日のモーター抽選で“隠れメーカー機”の「14号機」を引き当てると、初日から快調な動きを披露するとともに、不慣れなはずの荒水面も豪快に乗りこなして見せた。
その上田は、節間を通して「起こし・行き足や回ってからの繋がりがいいですね」と自信を示すとともに「ペラはノーハンマーで何もしません」と“ステイ”の姿勢を貫き、レースだけに集中したことが“2節連続V”という最高の結果に繋がった。
さらには、2日目の後半レースが打ち切られたことにより、予選3走(2着・1着・1着)でV戦の1号艇を手にする“幸運”に恵まれた他、仮に優勝戦もイン戦の難易度が高まる「10m/s」を超える南風が吹き続けていたら、結果はどうなったか分からない。とにかく、今シリーズは上田に全ての流れが向いていた。
それでも、前節に“初V”を勝ち獲った下関の「激走」を振り返ると、この結果は決して“フロック”ではないはず。「旋回スピード」が抜群で、常に攻撃的な姿勢を突き通すことで、着実に地力がアップしている。地元・住之江の「フレッシュルーキー」にも選出されている大阪支部期待の“龍星”に今後も注目しておきたい! |