【優勝】柏野幸二(3436・岡山)新モーター&新ボートで争われた4日間シリーズの「外向発売所開設6周年記念・富士通フロンテック杯」は、節間を通して気象条件が安定せず、2日遅れの13日(金)に優勝戦が行われた。
その最終日だが、北寄りのホーム「向かい風」が最大で「7m/s」とやや強まったのに対し、潮回りは逆目の「上げ」基調で荒水面となり、2Rより安定板が装着された他、うねりが強まった中盤戦(5R~9R)は2周戦に短縮された。しかし、潮流は徐々に弱まり、水面コンディションが回復してきた10R以降は通常の3周戦に戻された。
その後、優勝戦(12R)の時間帯には順目の「下げ潮」が入り始めたため、締めのラストバトルは、波がほどんどない絶好の水面でレース開始となった。
なお、今回のV戦メンバーは、柏野幸二(1号艇)・永田秀二(2号艇)・枝尾賢(4号艇)・大峯豊(5号艇)という、初日の「江戸川選抜戦」に出場したA1レーサー4人が集結したハイレベルな組み合わせとなった。
そして迎えたレースの方は、全艇が比較的慎重なスリットだった中、イン柏野はしっかりとトップS(0.18)を踏み込んできた。1Mは隊形に余裕がある分、漏らさぬようにターンマークを回りに行った柏野だったが、その柏野に対して猛然と「強捲り」で襲い掛かったのは、センター発進の北野輝季(3号艇)だった。
しかし、機力十分の柏野は慌てず騒がず堪え切ると、バック線の半ば辺りからグイグイと加速。パワーの違いで北野を引き離すと、続く2Mもミスなく回して柏野の「V」が確定的になった!
なお、見せ場十分に攻めた北野は2着で、枝尾が3着に入線。なお、枝尾に行き場をブロックされた外枠の大峯と松本博昭(6号艇)は展開なく着外に敗れた他、「伸び型」で2コースから差す足が欠如していた永田も、道中の競り合いで揉まれた結果、6着大敗に終わった…。
さて、1番人気に応えて見事インから逃げ切った柏野は、これで当地は通算18優出にして「5回目」の優勝。前回戦(昨年6月のサンケイスポーツ杯)こそ、初日の選抜戦で「F」を切って苦汁を舐めたが、当地を得意としている選手が多い岡山支部の中でも、有数の“江戸川巧者”だ。気迫に満ち溢れたレース運びで、好走確率は極めて高い。
優勝戦後の水上セレモニーではVサインを連発して、場内のファンに喜びを爆発させていた柏野。昨年6月の津以来の優勝で、自身の通算V回数も「56」に伸ばしたが、次節は福岡で開催されるプレミアムG1の「マスターズチャンピオン」。ベテランの強豪がひしめき合う大一番で輝きを放てるか!? 柏野らしい“超攻撃的”なレースを期待したいところだ。
最後に、今節は新モーターの1節目だったが、早くも“機力差”をかなり感じさせた。優勝した柏野の「18号機」と、伸び系統が強力だった永田の「38号機」は、間違いなく“上位級のモーター”として君臨しそうだが、さらにその2機を上回るパワーを発揮していたのは、伏兵の坪内実が節間の7走で「6回」も舟券に貢献した「41号機」だ!
手前の「加速感」に加えて「伸び系統」も抜群な同機は、底知れない“エース級”のパワーを秘めている雰囲気。よって、次節以降も“特注”でその行方を見守りたい。 |