【優勝】福来 剛(4095・東京)「第14回日本モーターボート選手会会長賞」を制したのは、地元の福来剛だった。インから「コンマ11」のトップスタートを決めて堂々と逃げ切り、江戸川では5回目、自己通算では17回目の優勝を飾った。福来は、初日の選抜戦こそ4着に敗れたものの、それ以外は全て2連勝式に絡む安定した成績でシリーズを牽引。優勝戦のポールポジションを獲得して人気に応えた。
その福来のVは早々に決まったが、見応えがあったのは後続争い。柳生泰二(2号艇)と関根彰人(4号艇)が差し、関根が2周1Mで柳生を捌いて2着確定…と思われたが、道中で柳生を捕えた赤坂俊輔(6号艇)がターン毎に前を詰めて、あわや逆転2着か!?というところまで猛追。ゴール前で僅かに及ばなかったものの、関根に際どく迫った。
レースを大いに盛り上げてくれた赤坂は、前日のインタビューで上位との機力差を嘆いていた。しかし、最後は調整がバチッと合った様子で、直前の展示では明らかに気配が上向いていた。最後の最後までレースを諦めず、G1覇者としてのプライドを見せてくれた。
一方、2着どころを競り負けた柳生は、やはり上位と比べて足の差があった。そして、残念だったのは3号艇の越智照浩。足は抜群でスタートしてから伸びて、宣言通りに攻めて行ったが、勢い余って転覆寸前のオーバーターンに…。自己初優勝の夢はお預けとなった。
また、捲り差しを狙った5号艇の鶴本崇文は、1Mで引き波の上に完全に乗ってしまい万事休す。見せ場を作れずに敗退した。
さて、優勝した福来は、昨年8月(常滑・一般戦)以来の美酒となった。今期(昨年11月以降)の自己アベレージは7点付近をマークして好調を維持している。ただ、コンスタントに優出はしていたが準Vが多く、ここ一番で勝ち切れていなかっただけに、今回の優勝は嬉しさもひとしおだろう。
この開催の直前に、同じく当地を得意としている後輩の若林将からペラのアドバイスも受けたのも目に見えない力となったが、相棒だった「50号機」もしっかりと働いてくれた。同機は昨年の9月に福岡の前田将太がインから優勝したモーターで、それ以降もコンスタントに出ていた。50%近い複勝率が示す通りに素性が良く、今後も引き続き注目しておきたいモーターだ。 |