【優勝】吉川昭男(3582・滋賀)得点率制で争われた5日間シリーズの「月兎(ゲット)ソースカップ」は、水面コンディションが多少不安定な一節ではあったものの、日程通りの12月19日(水)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、シリーズリーダーに君臨したのは、兵庫支部きっての技巧派である松本勝也。今節は“ワースト級”の「62号機」とのタッグだったが、初日の段階で生命線の「回り足」をキッチリ仕上げて、予選6走を「オール2連対」にまとめ、V戦のポールポジションを獲得した。
そして、松本とともに初日の「江戸川選抜戦」にエントリーしていた吉川昭男(2号艇)・天野晶夫(3号艇)・一宮稔弘(4号艇)がV戦の好枠を占拠。さらには、地力確かな出畑孝典(5号艇)・森野正弘(6号艇)も予選ラストの勝負駆けを成功させ、順当に力量上位の面々がファイナリストに名を連ねた!
その最終日は南寄りのホーム「追い風」が吹いた。それに伴い、逆目の「下げ潮」へ向かって行く9Rに安定板が装着された。ただ、前日の予報ほど風速が強まらなかったことに加えて、「潮止まり」の状態が続いたため、まずまずの水面コンディションの下でファイナルの優勝戦が実施された。
そして迎えたレースの方は、センター発進の天野がトップS(0.07)を決めてきたが、スリット突入の直前で若干アジャスト。そのため、インから先に回った松本と、ジカの2コースからスムーズに差し込んだ吉川によるマッチレースとなった。
その後、バックストレッチの半ばでは、脚勢に勝る吉川が松本に並びかけて頭一つ前に出た。続く2Mでは「差し返し」を狙った松本に、内々を突いた天野が絡んできたため、吉川が労せず抜け出して“V”が確定した!
なお、2Mで天野を捌いた松本が2着に入線したが、その2Mのターンが膨れ気味になった天野に肉薄してきたのは森野。続く2周1Mでは、天野が森野を差す態勢だったが、天野がターンマークに接触したことで、森野が逆転で3着に入った。
さて、当地「11回目」の優出にして、念願の“江戸川初V”を飾った吉川は、近畿地区でも有数の“一般戦の強豪”で、通算では今回が「49回目」の優勝。今年も地元・びわこの「正月開催」と「お盆シリーズ」を制している他、各地でコンスタントに優出を重ねており、抜群の安定感を誇る。
その吉川は、初日の段階でいち早く本体の整備に着手して、ピストンリングを2本交換。そして、「ペラを思い切り叩いた行った」と言う2日目以降は、日を追って力強さが増していった。
なお、相棒の「51号機」は一長一短のある中堅モーターだが、優勝戦前日のインタビューでは、「最初は下がってたけど、メチャ(ターンで)掛かるし、セカンド・サードの足がええね!」と見た目にも“万全”の状態に仕上がった。今節は経験に裏打ちされた「整備」+「調整」の手腕を存分に発揮したシリーズだった。
加えて、「24場制覇を考えると、江戸川を勝っときたい。勝てれば夢を見れるからね」とも話していた吉川。遂に“難水面”を制したが、次の目標である「全場制覇」へ残すは“6場”と道のりはまだ遠い。それでも、明らかに苦手としている水面は少なく、いずれは“大願成就”なるかも…!? 今後の奮闘に期待したい。 |