【優勝】前田将太(4504・福岡)2021年10月に実施された「66周年記念」以来となる、当地G1戦の「江戸川大賞・開設67周年記念」は、厳冬期らしく、厳しい寒さの中、熱闘が繰り広げられたが、節間を通して比較的水面コンディションに恵まれ、日程通りの1月31日(火)に優勝戦が行われた。
なお、3日目から1着量産体制に入り、「確変モード」に突入した地元の長田頼宗が、予選トップ通過を決めた他、超安定航跡の前田将太が2位、予選をノーミスでポイントを積み重ねた山口達也が3位で予選をクリア。ちなみに、準優1号艇を得たこの3者は、その準優戦をいずれも逃げ切って、長田がV戦絶好枠を獲得した!
そして、まさかのドリーム漏れとなり、予選スタートになった石渡鉄兵も、ここ一番で「江戸川キング」の「勝負強さ」を発揮して優出成功。さらに、SG常連の「腕達者」として鳴らす平本真之&磯部誠の「愛知支部コンビ」も、ファイナリストに名を連ねた。
なお、迎えた最終日は朝方から冬場特有の北西風(向かい風)が強く、1Rから安定板が装着されたが、強風が沈静化した5Rに安定板は取り外された。そして、潮位も下がり、絶好の水面コンディションの下でV戦が開始されたが、全艇のSTは「0.15以内」でほぼ横一線のスリット隊形に。中でも、インの長田が渾身のトップS(0.08)を決めてきた。
そして、注目の1周1Mはイン長田に対し、3コースの山口が猛然と「全速ツケマイ」を敢行して、その引き波に嵌った長田は後退…。なお、山口の旋回もやや膨れて、差しに構えた前田(2号艇)と石渡(4号艇)が、バック線の内々を一気に浮上してきた。
続く2Mは、先取りした石渡を前田が冷静に捌いて石渡を捉える形に。その前田が2周1Mを先に回って先行態勢を築いたが、次の2周2Mを「安全に回り過ぎた」前田は若干、失速気味に…。それでも態勢に変動はなく、前田が先頭でゴールイン。石渡が2着、1Mを攻めた山口が3着に入線した。
さて、激闘を制した前田のG1制覇は、一昨年6月の「福岡68周年記念」以来、通算2回目。今シリーズは、序盤から舟足軽快で、調整面に関してはほぼノータッチ。それでいて「出足系」は万全の状態に仕上がっていたし、「オールラウンダー」の前田らしく、硬軟自在なレース運びで、節間を「オール3連対」にまとめ上げた。
その前田、優勝者表彰後のインタビューでは「初優勝した時と同じくらいとてつもなく嬉しい。まず記念を走らせてもらえたことが嬉しかったですし、まさか江戸川(のG1)を優勝できるとは」と全国屈指の「難水面」における「G1戴冠劇」に驚き、そして喜びを爆発させた。レース後のウィニングランでは、詰め掛けた多くのファンと喜びを分かち合った!
ちなみに、昨年は年間「V8」と勝ちまくった前田だが、SG戦でも「5優出」をマークしている福岡支部屈指の強豪。計「45名」のA1レーサーを有する同支部のレベルは非常に高く、記念レースに出場することが狭き門だが、「いつも全然届いていないけど、常にグランプリに出ることが目標」と言い切る前田にとって、この勝利は今後の斡旋へ向けても、大きなアピールになった!
最後に、「自分はボートに乗ることが本当に好きなので、60歳を過ぎてもやれる限り、選手を続けていきたい」とボートレーサーという職業を心の底から愛している前田。「強さ」よりも「巧さ」が持ち味の「巧腕レーサー」は、今後も向上心を絶やすことなく大目標の「グランプリ出場」へまい進する構え。3月の大一番(平和島ボートレースクラシック)での活躍を期待するとともに、今年は「ボート界の主役」の座を本気で狙っていく! |