【優勝】杉山正樹(4084・愛知)向かい風3m、下げ潮40cmの好コンディションの中行なわれた「第14回日本財団会長杯」の優勝戦は、2コース発進の杉山正樹が絶妙な差しハンドルで抜け出し優勝。当地は前々回(2012年12月・男女W優勝戦)以来2回目、自身通算では節目となる“20回目”のVを飾った。
レースの方は、インの坂元浩仁が「コンマ07」の快ショット。スリット時点では坂元の楽勝か…と思える隊形だったが、先マイは初動で膨れてしまい懐が甘くなった。そこを逃さずに差したのは杉山(2号艇)で、バック線届いて2M先取りに成功。坂元も道中執拗に杉山を追ったが及ばず、2着惜敗に終わった。3着には、間を割った田路朋史(3号艇)の内を差し上がった広次修(4号艇)が入った。
さて、勝った杉山だが、前検時点では「乗りにくいし、全然良さそうじゃない…」と表情は渋く、初日のレース後も「中間速は良さそうだが、回転の上がりが悪い」と、決して順調な船出ではなかったが、中盤戦以降は「伸びはそうでもないけど、出足はいい」と実戦向きの仕上がりに。この好状態を最後まで維持できたことが最高の結果に繋がった。
また、杉山が今節使用した「60号機」は、前節の一瀬明に続いての連続優勝となったが、過去を辿ると星野太郎(11月)、三角哲男(10月)もVを達成。乗り手の力量も高い(全てA1級の実力者)のだが、通算で「4優出・4V」と、実に“勝負強い”モーターで今後も要注目だ。
この後の杉山は、東海地区選(常滑)を皮切りに、下関59周年 → 常滑60周年、津の一般戦を挟んで大村62周年と、記念(G1)の配分が詰まっている。強豪との対決が待っているが、昨年は平和島59周年&当地58周年でファイナルに進出。上の舞台でも通用する土台は徐々に築けてきており、G1戦線でも好勝負を演じてくれそうだ。記念タイトル奪取へ機は熟したと言ってもいいだろう。
一方、残念だったのは、1番人気で敗れた坂元。これで当地3度の優勝戦1号艇は全て2着と、チャンスを逃し続けている。自身もレース前には「三度目の正直。絶対優勝します!」と熱い思いを口にしていただけに、さぞかし無念だろう。しかし、江戸川3度の優出が全て得点率1位というのは素晴らしく、今開催も力強い攻めの走りでファンを魅了したのは間違いない。次回こそ…リベンジに期待したいところだ。 |