【優勝】濱野谷憲吾(3590・東京)級別審査の新期(1節目)となる「月兎ソース協賛・ゴールデンカップ」は、初日の9R以降が強風高波浪のため中止・打ち切りとなったが、4日間の予選と準優勝戦を日程通りに消化して、5月8日(金)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、今シリーズは「GW開催」らしく、関東地区から指折りの「江戸川巧者」が集結したが、その中でも予選トップ通過を果たしたのは、群馬支部のスピード王・秋山直之。しかし、第一関門の準優(12R)の1号艇で痛恨の立ち遅れを喫して5着と惨敗…。その秋山に対して、2位で予選を通過した前沢丈史が準優(11R)を逃げ切って、V戦のポールポジションを掴んだ!その他、濱野谷憲吾&石渡鉄兵の「江戸川2枚看板」に加えて、予選道中から粘り強いレースを見せた桑島和宏・加藤政彦がベスト6入り。さらに、準優戦において秋山を「ジカ捲り」で沈めた埼玉支部の飯島昌弘が、遠征勢では唯一のファイナル進出を果たした。
そして迎えた最終日は、10R辺りから急激に南風(追い風)が強まってきたが、順目の「上げ潮」も強かったため、まずまずの水面コンディションの下でV戦の開始となり、まずは、S勘を完全に掴んでいたカド発進の石渡(4号艇)がトップS(0.16)で飛び出した。その一方で、インの前沢は6番手のS(0.25)と、やや後手を踏む格好となった…。
そして、注目の1周1Mは、カドから覗き加減だった石渡を、ギリギリのところで抑え込んだ「カド受け」の濱野谷(3号艇)がスピードを乗せて「強捲り」を敢行。インの前沢を完全にバンカーに嵌めた濱野谷は、旋回後も力強くボートを返して先行態勢を築くと、続く2Mもノーミスで回し切って、早くも「V」を確定的なものにした!
なお、石渡も捲りに行く姿勢を見せていたため、絶好の「差し場」が空いた桑島(5号艇)と、2コースから小さく差して堪えた飯島の2着争いとなったが、2周1Mで飯島を冷静に捌いた桑島が2着。そして、飯島は道中でジワジワと追い上げてきた石渡に競り勝って3着に入線した。
さて、これぞ「東都のエース」という鮮やかなレースで激戦のGWシリーズを制した濱野谷は、2016年のお盆開催(大江戸賞)以来、当地では通算「16回目」の優勝。ちなみに、前期の「F2」休みを今期に持ち越している濱野谷は、前検日に「Sは行けないね…」と話していたが、今節の相棒(10号機)はシリーズの序盤から上々の動きを見せており、日を追って力強さが増していった。
その濱野谷、準優戦の後のインタビューで「追い風+上げ潮で、インから握る人はいないからね。得意なやつ(=意表を突く強捲り)をやっちゃおうかな(笑)」と話し、レース前から「捲り勝負」を匂わせていた。そして、V戦の後には「(チルトを)0度に下げて反応が良かった。追い風にも助けられたよ!」と、してやったりの表情を浮かべていた。
しかしながら「追い風」に「上げ潮」も強く、普通なら、強引に握って回ると対岸までターンが飛んで行く危険性のある条件下において、颯爽と「全速捲り」を炸裂させたのは濱野谷ならでは。リプレイビデオを見ていた後輩の荒井翔伍も「凄いなぁ…」と感心し切りだったように、今回は東都のエースが圧倒的な「旋回力」でもぎ獲った勝利と言えるだろう。
なお、今後の濱野谷は、児島(一般戦)を走った後、SG戦(住之江ボートレースオールスター)に参戦。その後は60日間の「F休み」が控えているため、オールスターは今年上半期の集大成になってくる大一番。「S勝負」はできぬ厳しい状況ではあるが、最大の目標である年末の「平和島グランプリ」出場へ向けて、是が非でも賞金アップを図りたいところ。実績十分のメッカ住之江で、メイチの奮闘に期待したい! |