【優勝】桑原将光(4318・東京)強風高波浪のため27日(金)が中止順延となり、「第15回スカパー!・JLC杯・波乗り王決定戦」の最終日は、一日遅れの28日(土)に優勝戦が行われた。順延した甲斐があり、28日は終日無風に近く、絶好の水面コンディションだったが、レースの方は3連単万舟が「5本」も飛び交う波乱模様の一日となった。
さて、東京・群馬・三重の3支部による対抗戦で争われた今節の“波乗り王決定戦”は、そのタイトルに相応しい江戸川巧者が出揃ったファイナルとなったが、人気を背負う1号艇だけが当地経験の浅い松尾充。エース機「18号」の“節イチ”パワーを味方に悲願の「デビュー初V」が目前の松尾だったが、あと一歩届かなかった…。
優勝戦は、その松尾がインから会心のトップS(コンマ12)を決めたが、カド受けの位置で少し後手を踏んでいた黒崎竜也(3枠)が、ダッシュ勢に伸び返す形から、強ツケマイを慣行。その攻めに応戦してしまった松尾の旋回が流れ気味となり、空いたブイ際を舐めるように差し込んだのは、2コース発進の地元・桑原将光だった!
先行態勢を築いた桑原に対し、巻き返しの2M勝負に持ち込みたかった松尾だったが、最内を巧妙に差してきた高沖健太(6枠)を回す形になってしまった時点で万事休す。2Mも冷静に回し切った桑原のVがここで確定した。
なお、2Mで高沖を捌いた松尾が2着を守った一方、高沖に対し、2周のホームストレッチで迫ってきたのは、モーターパワーに勝る黒崎。続く2周1Mで先行艇の引き波に嵌り気味になった高沖を差し捉えた黒崎が、逆転で3着に入線した。
さて、「18号機」に次ぐパワーを誇る「56号機」を引き当てた桑原は、前検日の時点で「力強くて、エンジンは何の問題もない。問題は俺のSだけです」と手応えを十二分に感じていた一方、F持ちということで、Sに対する不安を口にしていた。
また、2日目の6Rでは、2番手から果敢に1着を狙った結果、キャビテーションを起こして後続艇に不利を与え、不良航法(-7点)を取られていた桑原。しかし、それを踏まえて「乗り心地」を求めた結果、「伸び偏重型」から実戦仕様の「バランス型」に変貌を遂げ、ターン回りが飛躍的に安定した。
そして、カド発進だった5日目の準優戦では、豪快な全速捲りで予選1位通過のイン黒崎を撃破。この勝利でV戦の好枠を掴み、一気に流れを手繰り寄せた。
その桑原は、当地において2012年10月に自身初Vを飾ると、同年12月には連続Vを成し遂げたが、今回はその時以来“約4年ぶり”の美酒で、通算3回の優勝は全てここ江戸川。前日のインタビューでも「江戸川だけは特別ですし、優勝したい!」と意気込みを語っていたが、“純地元”に対する熱い思いが、見事に結実した一戦だった。
この後は30日間のF休みに入るが、今期は早々とFを付けてしまった割に、好調(現勝率6.25)をキープしている。今後は自身初となる“念願のA1級”を目指して、更なる飛躍を期待したい! |