【優勝】稲田浩二(4290・兵庫)6日間シリーズ(2準優制)の「第44回東京中日スポーツ杯」は、節間を通して「向かい風」+「上げ潮」という条件が多かったため「ポチャ波」の立つ水面でのレースが多かったが、中止順延はなく、日程通りの9月30日(水)に優勝戦が行われた。
なお、予選トップ通過を果たしたのは、初日の「江戸川選抜戦」を制した横澤剛治。しかし、5日目の準優戦(12R)で2着惜敗のため、横澤はV戦3枠回りに…。それに対して、準優(11R)をインから押し切った小山勉(予選2位)がV戦の1号艇を手にした。
その他、当地でG1戦(58周年記念)を勝っている岡村仁を初め、田路朋史・稲田浩二という3名の近畿勢がベスト6入り。また、低勝率機に手を焼きながらもギリギリの「12位」で準優戦に滑り込んだ大澤普司が、その準優戦でも3着に粘ってファイナル進出を果たした。
そして、迎えたV戦は「向かい風」と逆目の「上げ潮」が対峙する条件ではあったものの、風・潮流ともに弱めだったため、好コンディションの下でレース開始となり、まずは、ボート界きっての「S巧者」として鳴らす稲田(5号艇)が、ダッシュを利かせた会心のトップS(0.11)を決めてきた。
しかし、スリット後にグイグイと足を伸ばしたのは、カドの田路(4号艇)だった。対して、スロー枠の3者はいずれも「20台」という平凡な仕掛けだったため、田路が一直線の「絞り捲り」に出たが、その攻めに乗った稲田が、握りっ放しの「捲り差し」で鮮やかに艇間を割り抜いた!
そして、1周1Mを一気に突き抜けた稲田は、続く2Mを悠々と先取りした時点で早くも「V」が確定的に。また、稲田に続いて2Mをキッチリ回し切った田路が2着で、ダッシュ筋から連動した兵庫支部勢の「ワンツー・フィニッシュ」で決着した。
一方の「3着争い」は、捲られる形からの「イン変り」で残した横澤(3号艇)を、ブイ差しで浮上した大澤(6号艇)が追い上げて接戦に。しかし、優勢に運んでいた横澤が最終1Mで痛恨の失速…。
その最終1Mで外を回した大澤が3着に入線したが、横澤の失速の煽りを食った小山(1枠)が沈没。その小山を避けきれなかった岡村もエンストを喫するアクシデントが発生した。(※4着の横澤は不良航法。小山・岡村の2者は選手責任外。)
さて、同県の後輩である田路が作り出した「絶好の展開」を逃さなかった稲田だが、江戸川では2017年2月の「デイリースポーツ杯」以来となる「3回目」のV。なお、当地における優勝自体は久々だったが、これで江戸川は「3連続優出」。昨年9月のG1戦(64周年記念)でもファイナリストに名を連ねるなど、安定感は抜群だ!
その稲田は、初日から黙々と調整作業に励んでいた。その結果、「全体にバランスが取れて、準優の出足は特に良かったです」と話し、乗り手によって気配の変動が大きい相棒(58号機)を万全の状態に仕上げ切った。それとともに「稲ダッシュ」の異名を取るS巧者らしく、節間のスタートも高いレベルで安定。ラストも結果的に「好S」を決めたことが、最高の結果に結び付いた。
また、稲田は自身2個目の「G1タイトル」を獲得した前節(宮島66周年記念)から「2節連続V」となった他、すでに今年「7V」と絶好調。賞金ランクも現在「28位」と、初の「グランプリ本戦」出場が射程圏と言える好ポジションに付けている。
「宮島(前節)はエンジンが良かった。自分の力で出せた感じではないし、プロペラの調子がいい訳ではないですよ」と、安閑とはしていない稲田だが、「5・6コース」からの「2連対率」も優秀である通り、高い「総合戦力」を誇る。よって、この最高の流れで乗り込む次節のSG戦(大村ボートレースダービー)でも一発「大仕事」を期待したいところだ! |