【優勝】山下和彦(3562・広島)6日間の2準優制で争われた期末のラストシリーズ「第18回日本財団会長杯」は10月31日(火)に、1着賞金121万円(日本財団からの副賞金50万円を含む)を懸けてファイナルの優勝戦が行われた。 なお、初日から4日目までは絶好の水面コンディションに恵まれたが、北寄りのホーム「向かい風」が強烈に吹き荒れた5日目は、強風高波浪のため、やむを得ず8R以降が中止・打ち切りの措置が取られた。よって、2つの準優勝戦も中止となったことで、4日目終了時点の得点率上位6人がベスト6に駒を進めた。 その優勝戦は、予選の6戦で「5勝&2着1本」と“無双状態”の強さでシリーズを牽引した山下和彦が、パワー相場でも圧倒的な“節イチ”でポールポジションの1号艇から、大本命を背負う一戦となった。 そして迎えたレースは、微風の好コンディションでスタート。ダッシュの利いた快心のトップS(コンマ10)で飛び出したのは2コース発進の桑原将光で、一気に捲れるほどの勢いだったが、桑原に対して多少後手を踏んでいた山下が、スリット後に驚異的な伸び返しを見せた。 桑原は一か八かのツケマイで勝負に出たが、山下にとっては逆に好都合だった。1M到達時点で桑原に完全に追い付いていた山下は、外を遮断してくれた桑原をカベに力強く先マイを果たすと、あっという間に後続艇をぶっちぎった。そのまま独走態勢に持ち込むと、早々と「V」を確定させた! なお、桑原は1Mで飛び気味となり、捲り差しで割ってきた下出卓矢(5号艇)と、差した幸田智裕(4号艇)・大場敏(3号艇)の3者が好位に浮上。バック線は4艇がひしめき合う大混戦になったが、冷静に他艇の動向を見据えていたのは桑原だった。 幸田と大場が競る形になった2Mを、下出が先に捌いたが、その外に構えていた桑原が“鋭角差し”で3艇を一気に捉えると、続く2周1Mを豪快にブン回して2着確保と、地元の意地を見せた。 そして、3着争いは幸田と下出で大接戦となったが、2周2Mで外を握った下出が、ホームストレッチで幸田の前に出ると、次の最終1Mをしっかり捌いて3着に入線。なお、メイチのA2勝負駆け(3着条件)だった幸田は4着に競り負けて、無念のB1級降格が確定してしまった…。 さて、断然人気に見事応えて「V」を勝ち獲った山下は、前検日から他を圧する“猛パワー”を見せ付けていた。モーター抽選でエース機「26号」を手にした時点で早くも「今節の優勝は山下で決まり!」というムードが漂っていたが、その通りに終始シリーズリーダーを務め上げ、最後まで“主役の座”は誰にも譲らなかった。 また、当地は昨年6月に行われたG2戦の「江戸川634杯」以来、通算「6度目」の優勝。自身“初V”を飾ったのもここ江戸川という山下にとっては、何かと縁のある水面で、今節は何よりも“モンスターモーター”の後押しが大きかったが、また1つ当地で実績を積み上げた。 この後は、蒲郡のG1戦(ダイヤモンドカップ)に参戦する山下。ダッシュ戦が得意で、年齢を重ねても自慢の攻撃力に衰えは全く見られない。機出しは少々ムラな面があるが、今後も“アウト戦の醍醐味”を存分に見せてくれるはずだ! |