【優勝】小野達哉(4653・大阪)新モーター&新ボート&新プロペラに切り替わった平成ラストの4日間シリーズ(得点率制)の「ジャパンネット銀行賞」は、節間を通して比較的水面コンディションに恵まれ、日程通りの4月19日(金)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、2日目を終えた段階で、得点率のトップに並んでいたのは小野達哉と前田将太の両者だったが、3日目(予選最終日)の2走を小野が「3着・2着」と堅走したのに対し、前田は前半戦を勝利したものの、後半の1枠戦でまさかの「5着」と取りこぼした。その結果、小野がV戦のポールポジションを獲得し、前田は3枠回りとなった。
それ以外では、予選を「オール3連対」にまとめた岩永雅人(2枠)をはじめ、山崎哲司(4枠)・中山雄太(5枠)と計「3名」の愛知支部勢がファイナリストに名を連ねた他、強烈な“伸び足”を引き出した地元期待の渡邉雄朗も奮闘して、6位で予選を突破し最後の椅子を掴み獲った。
そして、南寄りの追い風が「5m/s」に対して、風向きと順目の「上げ潮」が「40cm/s」という好コンディションの下でレース開始となったが、「ゼロ台」のスタートをバシッと踏み込んできたのは、インの小野と上位の“伸び”に仕上がっていた中山&渡邉の外枠2者だった。
それに対して、岩永・前田が後手を踏んだことで、典型的な「中へこみ」のスリット隊形となり、小野は苦しい“裸のイン”に…。それでも、「捲り」で攻めた中山に合わせて渾身の先マイに出た小野がバックストレッチで先頭に踊り出た。
その小野に肉薄してきたのは、ダッシュ勢に被されながらも、絶妙な「捲り差し」からバック線の最内を伸び上がった前田だったが、後一歩のところで届き切らず、押し切り態勢を築いた小野は、続く2Mを軽快に先取りして優勝を確定させた!
そして、前田・中山と、大外から捲り差しで浮上してきた渡邉による次位争いは、2周1Mで渡邉を牽制しながら、中山を冷静に捌いた前田が2着に入線。続く2周2Mで、渡邉を回して差した中山が3着に入った。
さて、見事「当地初優出&初V」を達成した小野は、2016年7月の「大村ルーキーシリーズ」以来となる久々の優勝(※通算4回目)。V戦前日のインタビュー時には「なかなか優勝できないんですよね…」と話していたが、不利な「中へこみ」になったことを考慮すれば、“完璧”な「自力の逃げ」と言える勝利だった。
また、小野は約1年ぶりの江戸川参戦だったが、「(今節は)コケても仕方ないくらいの気持ちで乗ってきた」と、初日の段階から難水面に臆することなく、豪快な「スピードターン」を連発。しかも、強風が吹きやすい4月としては水面コンディションが安定していたことも大きかった。
加えて、小野は前節のG1戦(下関ダイヤモンドカップ)において、予選をギリギリの18位で通過すると、準優戦は惜しくも「3着」だったが、2着に入線した前本泰和が「待機行動違反」で賞典除外になったため、繰り上がりで“特別戦初優出”を達成する“強運”を発揮。
そして今節も、首位通過が濃厚と思われた前田の取りこぼしで、V戦の1枠が転がり込んだ小野は、V戦においても「逃げ」と「差し」が有利な「追い風」+(強めの)「上げ潮」という条件の後押し。さらには、「ずっと優勝できていないけど、なるようになる!」とガツガツすることなく、焦らずに自然体で臨めたことで最高の結果を呼び込んだ。
勝率も「7.03」に上昇させた小野は、もう若手と呼べる年齢ではないが(33歳)、同県同期(108期)の“出世頭”である木下翔太や、小野が優出した下関のG1戦を制した上條暢嵩らとともに、次代の「大阪支部」を牽引していく存在。スピード自慢でレースも豪快な小野の更なる飛躍に期待したい! |