【優勝】柳沢一(4074・愛知)2準優制で争われた6日間シリーズの「第44回報知新聞社杯」は、節間を通して水面コンディションに恵まれ、日程通りの9月17日(木)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、予選の4日間を終えて「同着位数」の「同率トップ」で並んだのは大池佑来&柳沢一の両者だったが、3周戦の「上がりタイム」で上回った柳沢が1位で、大池は2位通過となった。そして、2組の準優勝戦は、大池(11R)・柳沢(12R)がともにインから逃げ切ったため、柳沢がV戦の1号艇を獲得した。
その他、柳沢・大池と同様に、予選&準優を「オール3連対」にまとめた藤山雅弘とともに、金子貴志と永井源もベスト6入り。一方で、準優(12R)で3着だった安達裕樹は2周2Mでの「不良航法」により賞典除外に…。その結果、同レースで4着だった飯島昌弘が繰り上がってV戦へ駒を進めた。
そして迎えた最終日は、6R頃から南風(追い風)が強まってきた。しかし、それと並行して順目の「上げ潮」も強まったため、波が出ることはなく、V戦も良コンディションの下でレース開始となったが、ダッシュ勢は一様に仕掛け切れず、「0.15近辺」を決めてきたスロー勢が、スリット線の攻防で優位に立った。
注目の1周1Mは、インから先に回った柳沢の旋回が若干膨れ気味になったのに対して、2コースの大池が絶妙な「差し」を捻じ込んできた。しかし、機力に勝る柳沢は、バック直線をメイチで被った結果、大池を何とか抑え込んで2M先取りに成功。
その後も、大池は諦めることなく、内々の経済コースを走って柳沢を追撃したが、ようやく2周2Mを回った時点で大池との差を広げた柳沢の「V」が確定的となった。
対する大池は、これぞ「江戸川巧者」という立ち回りで奮闘したものの、そのまま2着でゴール。その一方で繰り広げられた熾烈な「3着争い」は、藤山(3号艇)が制した。
さて、「楽勝」ではなかったものの、インから圧倒的な「1番人気」に応えた柳沢は、2010年2月(東京スポーツ杯)以来、約10年半ぶりとなる超久々の当地制覇。今シリーズは、前検日に機歴抜群の「70号機」を引き当てた時点で活躍を予感させたが、実際のところ、初日から安定したレース運びで舟券に貢献し続けた。
その柳沢は、1回乗りだった初日の段階でプロペラと外周りの調整がほぼ完了。シリーズの序盤から「バランスが取れている。エンジンがいいですし、十分満足してます!」と、好モーターのパワーを9割方は引き出していた。
また、節間を通して力で捻じ伏せるレースは少なかったが、過去には「G1初制覇」も飾ったことのある江戸川において、「水面状況」と「展開」を的確に読んだレースぶりには、一切の隙がなかった。
なお、昨年6月の「多摩川グランドチャンピオン」で初のSGタイトルを獲得した柳沢は、今年も3月の「平和島ボートレースクラシック」でファイナル進出を果たしているが、現在の賞金ランクは「30位」。よって、2年連続の「グランプリ本戦」出場へ向けては、更なるペースアップを図りたいところ。この後にビッシリ控えている「記念ロード」での奮闘に期待したい! |