【優勝】飛田江己(5191・埼玉)ボートレース江戸川の2022年を締め括る「第45回京葉賞・トータリゼータエンジニアリング杯」は、節間を通して強い季節風(北西風)が吹くこともなく、日程通りの12月30日(金)に優勝戦が行われた。
なお、予選を断トツの1位で通過していた秋山直之が、準優戦(12R)でフライングに散る大波乱が発生…。さらに、2位通過の柳橋宏紀も準優(11R)を3着で、6強進出は果たしたものの、V戦は5枠回りとなった。
一方、準優を制したのは、序盤から「4連勝」と快進撃を演じた飛田江己と、秋山の「F退き」で繰り上がった齊藤仁の2者。その結果、ポールポジションが転がり込んだ飛田(予選3位)が「初優出&初V」を目指すラストバトルとなった!
その他、最終的にエース機(39号機)を納得の状態に仕上げた村越篤と、佐竹友樹&浅見宗孝の埼玉支部コンビも優出を決めた。
そして迎えた優勝戦は、微風の好コンディションでレースが開始された。まずは、会心のショット(ST0.07)を決めた大外の浅見が内を絞ったが伸び切るには至らず、3コースから伸び返した村越が握って浅見を遮断。そのため「内有利」の展開となり、1Mはインの飛田が先に回った。しかし、旋回がやや膨れて、齊藤の絶妙な「2コース差し」が入ったか…と思われた。
だが、飛田は1Mを回り切ると、バックストレッチの外々を力強く加速して2Mを先取り。その2Mでも、飛田は緊張からかハンドルが入り切らずに漏れ気味だったが、差し込んだ齊藤をホーム直線で再度突き放すと、その後はコーナー毎に差を広げて、先頭でゴールインを果たした!
後続は、齊藤がそのまま2着に入線。また、捲り差しから3番手を航走していた浅見と、1周2Mで内を突いた柳橋(5号艇)が競り気味となったが、そこを差し込んだ村越が続く2周1Mを先に回って逆転の3着。その結果、スロー勢が上位を独占して、堅い「本命決着」で今年ラストのV戦が閉幕した。
さて、プレッシャーに打ち勝って「初優出&初V」を達成した飛田だったが、ピットに帰投すると「準優に比べると意外に緊張はしなかったのに、(旋回が膨れた1Mは)やっちゃったと思いました」と苦笑い。「足が本当に良かった。勝てたのはエンジンのおかげです!」と、まずは圧倒的な「節イチ」パワーを誇った相棒(47号機)に心の底から感謝していた。
ちなみに、昨年5月の戸田が初出走だった飛田は、1年8カ月目での快挙達成。128期の「養成所チャンプ」で勝率も同期で2位の「7.46」と、埼玉支部期待の「有望株」としてデビュー。キャリア的にはまだ「修行中」と言える段階だが、随所に潜在能力の高さを感じさせる。加えて、実戦経験を積むことで、最近は着実にレースの「駆け引き」を覚えてきた。
さらに、「優出することが今年の目標でした。今年最後に優出できて、まさか優勝できるなんて!」と、まだ夢見心地の飛田は「この優勝は今後のためにも大きな経験になる。A級に上がることが今期の目標です」と、さらなる飛躍を誓った。実直温厚なタイプで、今後は手厳しいレースを嫌と言うほど経験するはずだが、自らに妥協することなく腕を磨いて「トップレーサー」を目指して欲しい! |