【優勝】福来剛(4095・東京)「第39回スポーツニッポン杯」の最終日は朝から強い南風が吹き、序盤から中盤までは下げ潮と風がぶつかる厳しいコンディションに…。最大波高が“20cm”という、江戸川特有の超難水面の中での戦いとなった。
その後は上げ潮に変わり、水面状況が回復した中で争われた優勝戦は、間違いなく今年の“ベストレース”の1つに数えられるであろう超劇的な結末で、その主役を演じたのは6号艇の福来剛だった。
レースは大外から「コンマ17」のトップスタートを決めた福来が、目の覚めるような全速捲り差しで、インから先に回った奥平拓也と2コースから差した伯母芳恒の懐を鋭く突く形に。バックでも力強く伸びた福来が、2Mも先取りしてそのまま先頭でゴール。江戸川では3回目、通算では11回目の優勝を決めた。なお、2着には2周1Mで伯母を競り落とした奥平が入り、伯母は3着。3連単は2万円台の高配当となった。
予選道中は実戦足の乏しさを嘆き、終始表情も冴えなかった福来。それでも優出が決まった前日には「展開を突けるように、少しでもかかりの上積みをさせたい!」と、最後まで諦めない整備を約束していた。実際、前日までの気配だったら、最後に魅せた針の穴を通すような絶妙な旋回は不可能だったに違いなく、この優勝はまさにその努力と真摯な姿勢が産んだ賜物と言えるだろう。
その福来、最近の江戸川ではエンジン出しに苦労したり、好モーターを引いてもリズムに乗り切れなかったりと少々もどかしいレースが続いていたが、その“うっ憤”を見事に晴らす会心のレースだった。このあとは、蒲郡→平和島の一般戦を2節走ってF休みに入るが、休み明け後は更に上のステージでの活躍にも期待したいところだ。
また、予選最終日に転覆のアクシデントでデビュー初優出はお預けになってしまった三浦敬太だが、抜群の伸び足を駆使してシリーズを大いに盛り上げてくれた。今回のリベンジの舞台は“連続斡旋”となる5月7日からの「ゴールデンカップ」。この悔しさをバネに、次節は今節以上の大暴れに期待したい。
一方、優勝戦は6着大敗となってしまった石渡鉄兵だが、今シリーズは凡機に泣かされた印象。鉄兵は6月5日から始まる「G1江戸川大賞」が今回の憂さを晴らす場になる。 |