【優勝】宇佐見淳(4118・愛知)6日間の2準優制で争われた「第20回日本写真判定杯」は、節間を通して水面コンディションに恵まれ、日程通りの8月3日(月)にファイナルの優勝戦が行われた。
なお、序盤の予選2日間を「オール2連対」で「シリーズリーダー」の座を争ったのは、「江戸川巧者」として鳴らす濱崎誠・河合三弘・浅見昌克・西川新太郎の4者。しかし、浅見と西川は3日目の10Rに「F」を切って戦線を離脱。一方、その後も快走が続いた濱崎が予選トップ通過を果たし、河合も2位で、この両者が準優戦の1号艇を手にした。
そして、5日目に行われた2組の準優勝戦は、いずれも「センター捲り」での決着に…。勝ったのは宇佐見淳(予選6位)&池田雄一(同8位)の2者で、宇佐見がV戦のポールポジションを獲得。一方、準優で1枠だった濱崎と河合は、ともに「2着」で、V戦は中枠回りとなった。
そして迎えたV戦は、南寄りのホーム「追い風」が「5m/s」に対し、順目の「上げ潮」が「50cm/s」という「内コース」に有利な条件下でレース開始となったが、スリット線の攻防で主導権を握ったのは、やはりスロー枠の3者。中でも、1号艇の宇佐見がダッシュを乗せた会心のトップS(0.11)をバシッと決めてきた!
その宇佐見に対して、「全速捲り」で攻めたのは濱崎(3号艇)だったが、宇佐見は冷静だった。濱崎の攻めを過度に反応することなく、「追い風」+「上げ潮」のコンディションに即した絶妙な旋回半径で1Mを先マイ。旋回後期でもしっかりとボートを返して逃げ態勢を築くと、続く2Mを軽快に回り切って「V」を確定的なものにした!
よって、焦点は「2・3着の争い」に絞られたが、「捲り差し」を狙った藤原孝斗(5号艇)は入り切れず、濱崎と、2コースから差した池田がバックは2・3番手。なお、2Mで内々から濱崎を抑え込む形で回った池田が2着で、その2Mで旋回が膨れた濱崎は藤原に差されかけたものの、ホームストレッチで藤原に伸び勝った濱崎が3着に入線した。
さて、堂々の逃げ切り勝ちを決めた宇佐見だが、今年は2月の平和島に続く「2回目」の優勝。当地では2009年12月の「報知新聞社杯」以来、実に10年半ぶりという久々の美酒で、優勝戦終了後の水上セレモニーでは、多くのファンの前で喜びを噛み締めていた。
その宇佐見、今節は現行モーターの初降ろしシリーズ(※4月2節目のスポーツニッポン杯)で優勝した山田哲也が絶賛していた「23号機」とのタッグだったが、序盤の段階では「良い機という感触はゼロ…」と首を傾げっ放しで、本体とプロペラの調整作業に奔走していた。
その後、5日目になっても、宇佐見は「優出はできても、Vを狙える足ではない」と手厳しかったが、「乗り心地」の部分が改善して、徐々に足のバランスが整ってきていたことも事実。準優戦が終了して、V戦の1号艇が確定すると「インなら勝てるSを行くだけだね!」と自らを鼓舞していたが、見事にそれを有言実行してのV劇だった!
今後は、地元常滑の「お盆レース」を含めて一般戦を3節走った後に、10月には「G1平和島66周年記念」の斡旋が入っている宇佐見。なお、G1戦出場は2017年12月の「鳴門64周年記念」以来約3年ぶり。丘の上でも水上でも元気一杯の「熱い男」は、久々の大舞台でのレースを心待ちにしているはずだ。
最後に、今シリーズにおける「最高殊勲選手」は、愛知支部の藤原孝斗で異論はないはず。予選で「4勝」を挙げて初の準優入りを果たした藤原は、その準優でも吉田俊彦の猛追を耐え抜いて3着で念願の「初優出」に成功!
確かに、相棒の「70号機」は「超抜級」に噴いていたが、剛柔自在なレース内容は抜群だった。ちなみに、122期の藤原は、当地5月の「日刊スポーツ杯」で「初優出&初V」を達成した畑田汰一と同期生。今期適用勝率は「2点台」で、通算でもまだ「8勝」しか挙げていないが、自信を付けた藤原の今後の走りにも注目しておきたい。 |