【優勝】都築正治(3550・愛知)「第17回スカッとさわやか杯」の優勝戦が行われた最終日は、目まぐるしく水面状況が変わり、序盤はホーム「向かい風」に対して、逆目の「上げ潮」がぶつかったことで波立っていたが、潮が止まった3R辺りから徐々に波は沈静化。そして「下げ潮」が入り出した6R以降は、波がピタリと消えた。
それも束の間、10Rになると今度は真逆の「追い風」が強まってきて、逆目の「下げ潮」と対峙したことで、水面コンディションが急変。その結果、11R以降は安定板装着の2周戦となり、“波乗りの合戦”の様相を呈するラストバトルとなった。
なお、「同枠戦&準優戦」が行われた前日の5日目は、1号艇が「1勝」しか挙げられず、予選1位だった宮崎奨は準優12Rのイン戦で5着に大敗。その一方、5日目に唯一の「逃げ」を決めた都築正治(予選2位)がポールポジションに座るファイナルとなったが、最終日も11Rまで1号艇はわずか「3勝」と、前日から続く“イン受難”の流れを引きずっていた…。
そして迎えた最終決戦だが、スロー発進の都築(1枠)・宮地元輝(2枠)・福田雅一(3枠)が1艇身(コンマ15)近辺の仕掛けだったが、カドの山田亮太(4枠)と鈴木博(5枠)が若干後手を踏んだことで、大外からダッシュを乗せた重野哲之(6枠)が、勢い良く内を絞りに出た。
しかし重野は、先捲りで応戦した宮地共々、強めの「追い風」に流され、その隙に1Mをクルリと小回りした都築が先マイに成功!
続く2Mも先取りした都築は、2周1Mで内々を突いてきた宮地を引き波に嵌めて抑え込むと、最終2Mでは、渾身の差しを狙った重野を的確なレバー操作で封じ切り、苦心の末、先頭でゴールを駆け抜けた。なお、後続は2着に重野、3着に宮地が入線した。
見事、江戸川“初V”を飾った都築だが、当地では2007年7月の同タイトル戦(第7回さわやか杯)以来、約10年ぶりのファイナル進出だった。準優戦後のインタビューでは「あとは自分との勝負。しっかり回れば勝てる」と話していたが、不慣れな当地の“うねり水面”を乗り切って、最高の結果を出した。
その都築は、4日目に「エンジンのおかげですね」と、相棒の「65号機」に感謝していたが、特に「出足系」が完璧だった。自らが御しやすい「実戦仕様」の足に仕上がっていたことで、強めの追い風が吹く難易度の高い1Mでも、ロスなくコンパクトに旋回することができた。
また、近年の都筑はA2級に甘んじているが、田中信一郎・太田和美を筆頭に精鋭が揃う黄金期(69期)の一員であり、通算では「31期」もA1級を張った愛知支部の実力者だ。
今回、難関の江戸川を制したことで、栄光の「24場制覇」へは、あと平和島の1場を残すのみ。この先“リーチ一発”でツモれるか、引き続き都筑の動向に注目していたい。 |